カイロのタハリール広場で、スレイマン前副大統領の大統領選出馬に反発するデモ参加者ら=2012年4月13日、ロイター 【カイロ前田英司】5月下旬実施のエジプト大統領選が迷走している。「アラブの春」で崩壊した独裁末期のスレイマン前副大統領が土壇場で立候補を届け出て、旧ムバラク体制下の権益保持を狙う軍部が後押しする疑念が浮上。議会最大勢力に躍進したイスラム原理主義組織ムスリム同胞団との対立が先鋭化しているためだ。 カイロ中心部のタハリール広場は13日、数万人でごった返した。沿道には参加者を動員したバスが連なる。同胞団を中心とするイスラム勢力がスレイマン氏出馬に反発して呼びかけたデモだ。「大統領がほしい」「軍政を倒せ」とのスローガンが響く。大学4年のアスマ・ワキールさん(21)は「前政権の残党はいらない」と憤った。 スレイマン氏はムバラク前大統領の腹心。情報長官として対イスラエル外交を主導し、アラ