2月6日、イギリスのエリザベス女王は即位60年を迎えた。僕だけじゃなく大多数のイギリス人が、エリザベス女王以外の君主を知らないというのは、改めてすごいことだと思う。 僕が人生で最初に体験した「歴史的瞬間」は、僕がまだ7歳だった1977年――エリザベス女王の即位25年だった。幼くてまだあまり時間の概念がなかったけれど、それでも25年は長い年月だというのは理解できた。 もちろん、女王の即位25周年は、記録に残したり勉強したりするようなたぐいの厳密な「歴史」ではないだろう。女王が今や50周年も60周年も通過して、さらにこのまま歴代最長記録を塗り替えそうな勢いだから、なおさらだ。でも僕にとってはとても重要な時だった。この即位25周年はまさに、子供の僕が「イギリス政府とは何か」という事実を理解しはじめた年だからだ。 女王の夫がなぜ国王ではないのか(僕は国王になるのが当然だと思っていた)、教えてもらっ