消息を絶ったマレーシア航空機の捜索や針路をめぐる中国メディアの報道が、欧米メディアに比べてしばしば出遅れる。共産党の一党独裁の下「党の喉と舌」と称されるメディアにスクープ合戦の経験はほとんどなく、欧米メディアを追随するだけの状況に記者らの間で無力感も漂っている。 クアラルンプールから北京に向かっていた不明機の乗客には150人を超える中国人が含まれており、不明機のニュースは中国内で高い関心を集めた。中央テレビや新華社などの党・政府系メディアのほか、「都市報」と呼ばれる商業紙も多数の記者を派遣。中国政府が派遣した軍艦の出発や到着などを速報したが、不明機の針路変更やハイジャックなどの犯罪行為があった可能性など、鍵となる情報の大半はAP通信やロイター通信などを引用。中国メディア関係者の間で「完敗」と動揺が広がった。 中国では記者が当局の内部情報を入手しても、公表できる機会は極めて限られる。厳しい検