シ-ン59 青森五連隊―営庭 (橋本忍先生の脚本より) 明治三十五年一月二十三日、午前六時五十五分。 白い雪に覆われた早朝の営庭に雪中行軍隊二百十名。 いや、すでに神田を先頭に、第一小隊の伊藤小隊、 第二小隊の中橋小隊が動き出している。 将校は黒の羅紗服に黒の外套、 下士官は紺の羅紗服にカ-キ色の羅紗外套、 兵卒は紺の木綿の小倉服だが、下士官と同じカ-キ色の羅紗外套で、 全員が軍靴の上に雪沓。 中略 最後尾は行李輸送隊の八台の橇で、一台には四人の輸送隊員。 中略 神田を先頭に、伊藤小隊が営門を出て行く。 Ⅹ Ⅹ 行進曲の喇叭はまで高らかに続いている。 行軍隊の三分の二はすでに営門の外で、続く隊列と最後尾の行李輸送隊が力強く出発して行く。 新潟県の自衛隊新発田駐屯地でのその日の撮影が終了して月岡温泉の旅館へ帰ると、新聞の切抜きを貰いました。 誰からだったかは忘れましたが、見ると全