もうすぐ日本政府が尖閣諸島を国有化し、その後、中国各地でそれに抗議する反日デモが起きてから1年になる。去年は1月の台湾総統選に始まり、中国と世界を揺るがせた2月の重慶スキャンダル、9月の尖閣国有化と反日デモ、11月の共産党大会と、中国関連ニュースがこれでもかと世界を駆け抜けた。予想外の方向に事態がどんどん転がる薄煕来の事件も難儀だったが、何と言っても評価に窮したのが反日デモだった。 山東省青島市のイオンや湖南省長沙市の平和堂という日系スーパーがデモ隊の略奪にあって店がめちゃくちゃに破壊され、北京の日本大使館には石が投げつけられた。その一方で、日本に対する義憤にかられた人々が参加するはずのデモ隊はなぜか警察の誘導におとなしく従い、列の後ろの方は半分ピクニック気分で参加している――。一体どちらがデモの、そして中国の真実の姿なのか。正直かなり混乱した。 8月末、弊社から「在中日本人108人のそれ