実は、このブログ<社会科学の裸の王様・経済学>は、Steve Keenという経済学者の著書のタイトルを拝借したものです。彼の書いた著書は、いろんな点で面白いものとなっており、このシリーズでも機会を見つけて紹介したいと考えています。 さて新古典派批判というある意味ではやりがいのない作業を遂行する上で、「セイ法則」ということについて触れない訳にはいきません。セイというのは、19世紀のフランスの経済学者の名前(Jean Baptist Say)ですが、その名を冠した「法則」は決して法則といえない代物です。このシリーズの第1回に紹介した引用を参照してください。「原理」と呼ばれるものは、ほとんどの場合、当該社会で力のある富裕者に役立つときに「原理」の名前をつけられるということでしたが、この原理もその通りです。 セイ法則は、「供給はそれ自らの需要を創り出す」という風に定式化されます。それは、<需要側を