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ブックマーク / hongokucho.exblog.jp (16)

  • 日銀『外貨資産』の謎=塵(利息)も積もれば山となる、超超長期外貨運用のお手本? | 本石町日記

    謎シリーズというわけではないが、今回は日銀の『外貨資産』について。まあ、謎というかその由来についてである。先の電子決済化・銀行券消滅に関するエントリーで日銀バランスシートに興味を持った方がいるかもしれないので、ちょっと補足的に説明したい。実は、外貨資産をめぐる謎は3年程前に明らかになったのが、当時それほど大きく報道されなかった記憶がある。それもあって改めて紹介したいと思う。ご存知の方はスルーして欲しい。 日銀資産には「外国為替」という項目が当たり前のように存在する。日銀に来てしてしばらく経ったころ、私は「なぜ外貨資産があるのだろう」と疑問を持った。日銀は外貨を全く操作していないし、外貨資産を持つ動機もなかったからだ。日銀幹部らに聞くと、「歴史的な経緯で保有している」と答えるだけで、私にはこの“経緯”が一種のミステリーのように思われた。戦前持っていた外貨資産の名残り?、しかし敗戦国の中央銀行

  • 日銀が株を買った法律について=日銀法43条なるもの | 本石町日記

    日銀は法律上、通常業務では株を買えない。ではなぜ買えたのか。日銀法43条を使ったのである。この条項は以下の通りである。 「第43条  日銀行は、この法律の規定により日銀行の業務とされた業務以外の業務を行ってはならない。ただし、この法律に規定する日銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでない」 この条文のうち、ポイントは「ただし」以下のところである。では株を買う目的とは何か。これは第一条の二項、すなわち「日銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする」である。まとめると、日銀は「信用秩序維持のために株を買うことが必要である」と判断し、「株を買っても良いですか」と43条に基づいて財務大臣および総理にお伺いをたて、「オッケー」と言われて買

  • “包括緩和”を決定=金融緩和のガラケー的発達 | 本石町日記

    日銀が日の決定会合で金融緩和を決定。声明文&会見では「包括緩和」と称された。思いつつままの雑感は以下の通り。余裕があればメルマガ(臨時)でポイント的な解説を行う予定です。 ・緩和演技としては期待以上。いろいろなパーツを盛り込んできた ・総裁も会見では「教授」にならないように慎重に答弁 ・金融市場(金利系)に一番効くのは「時間軸」の強化。(実質)ゼロ金利を永遠なれ…の感 ・政策金利はバンド誘導。FRB方式。変動させれば市場機能はちょびっと生きる ・信用緩和部分と量的緩和部分をバーチャル基金化 ・幾つかの点で一線を飛び越える ・また43条ですか(そして、ここでも一線越えたところあり) 総評。外野がうるさいので、幾つかの武器を同時に装備した感があり。しかし、理屈を練って、オペをひねり出すオペレーション能力は相変わらず高度。結果的には、一般の方々にとっては、ロジックが複雑・怪奇化し、まあ金融緩和

  • Summers-san and Bernanke-sama=クルーグマン教授は辛辣だなあ | 本石町日記

    バーナンキFRB議長に厳しいクルーグマン教授だが、その辛辣さは嫌味の敬称である「さん」を「様」に格上げして度を増している。さらに、批判の矛先を広げ、今度は「サマーズさん」と相成った。こちらの「The Trap We’re In (Wonkish)」というエントリーである。「流動性の罠」なのに金融財政政策の大拡張をためらう当局への不満がサマーズ&バーナンキコンビに炸裂した格好だ。まあ、いつもの論調なのだが、ポイントは以下の通り。 ・インフレ率は下がり、デフレが現実味を帯び、われわれは「流動性の罠」に深く突っ込みそうだ。 ・このため、FRBが様子見姿勢にあるのはとても間違いである。 ・非伝統的手段は今やれ、今やれ、今やれ(連呼) ・財政ももっとやるべきだった。今やるべきことを十分やらないと、解決はより困難になる ・哀しいのは、政策当局者はこのことを知っていると思われることだ ・だって、FEDは

  • 「むちゃくちゃな話に(日銀は)耳をかさないように」=共産党・大門先生にしびれる | 本石町日記

    平成22年04月13日、参院・財政金融委員会の日銀半期報告。共産党の大門実紀史先生の一言にしびれた人は多かっただろう。国会議事録にアップされたので、発言部分を以下に記したい。個人用メモとして。 「…この間株価がちょっと戻ってきたと。もうのど元過ぎればといいますか、また行け行けどんどんみたいな今日も発言がありましたけれども、日銀に対してもあれやれこれやれと。金を買えですか、金を買えとか土地を買えとか、もうしまいには原油を買えと言い出すんじゃないかと思うぐらい、もうむちゃくちゃな話ですよね。ああいう意見には耳を貸さないようにしてもらいたいというふうに思います。 やっぱりきちっと、のど元過ぎればじゃなくて、あのときの教訓をきちっと引き出さなきゃいけないと。大体、この間もお話ししたことあるんですけれども、あれやれこれやれと言う人に共通しているのは結構資産家の方が多いですね。自分の資産がかなり目減り

    neco22b
    neco22b 2010/04/27
    まあ、俺も金融屋さんとか資産家さんとかの話ってみんなポジショントークに聞こえるwでも日銀もっと仕事しろとも思うw日銀は、金融屋さんの味方に見えるんだけど実際は、どうなんだろー?
  • FRBも日銀に似てきた?=クルーグマン教授がBernanke-sanと呼び始めた | 本石町日記

    米FRBが公定歩合を引き上げた。今後の正常化につながる措置であるならFF金利の引き上げ(引き締め)も視野に入れているとは思われるが、単に公定歩合の引き上げだけみれば、個別銀行向けの貸出を駆使した流動性供給の正常化に過ぎない。私は、それだけの技術的な措置であり、FF金利の引き上げは当分はないだろう、と思っている。だが、今回の早過ぎる?タイミングはハト派のエコノミストらには不評で、その筆頭の1人がクルーグマン教授であった。 ツィッターでは簡単に触れたが、改めてこちらでも紹介したい。クルーグマン教授は「Disinflation」というエントリーで最近の物価動向を分析し、ディスインフレ色が強まっていることを指摘している。 前段では、物価指数としてはクリーブランド連銀の“刈り込み”指数に注目していることを紹介。その上で、「these indicators tell a story of dramat

    neco22b
    neco22b 2010/02/24
    「白川・バーナンキのコンビが似た者同士とみなされる日が来るとは…。 」今回の金融危機で一番予想外な出来事だなw
  • ギリシャ悲劇の影でラトビアの惨劇=クルーグマン教授より | 本石町日記

    財政悪化の深刻なギリシャの悲劇が世界的な注目を浴びている中、クルーグマン教授が「Riga Mortis」という短いエントリーをアップしていた。世界的なバブル崩壊でバルト方面の打撃も大きかったのだが、Club Medの影に隠れてこのところ忘却されていた格好だ。教授のエントリーからは、ギリシャ以上の悲劇に見舞われていることがうかがえる。 「Latvia isn’t in the eurozone. But its determination to keep a fixed exchange rate against the euro lies behind the catastrophe」 →ラトビアはユーロ圏ではないが、ユーロに対して自国通貨のペッグを堅持している(=切り下げしない)。しかし、実体経済は悲惨な状況にある。 悲惨な状況は、エントリーにリンクされたリポートにうかがえる。 「The

  • オーストラリア中銀が教える為替介入法 | 本石町日記

    お知らせ=ブログパーツを強化し、簡単に翻訳機能が使えるようにしました。クリックして単語をなぞるとエキサイト翻訳が自動的に浮き上がります。 オーストラリアの金融政策は、私は全然ウォッチしていないのだが、為替市場では注目されているようだ。オージー・円やっている人が多いからだろうか。予定された利上げがなかったとかで、一部では騒がれたようですね。ウォッチしていないのは、①GDPがとても小さい(スイスぐらい?)②そういう国の金融政策はグローバル的にはあまり影響がない③日銀でも話題にならない④同様にG7でも話題にならない-ため。 ただ、そうは言っても日人には昔から馴染みの国で、たくさんの人がオージー・円を手掛けるという行為が、あの国の金融政策にどんな影響があるのかな、と軽い興味を覚えてホームページをざっと眺めてみた。で、ちょっと面白いなあ、と思ったのは、マーケットオペレーションの中に「為替」の項目が

  • 菅大臣の「口先介入」をめぐる報道について=「結果オーライ」だったのでは | 本石町日記

    一発目に追記 「デフレ宣言」した政府が、円安に誘導した財務大臣の発言を問題視するのはおかしい。むしろデフレ脱却に資する、というのが整合的ではないのか、と政府の立場なら思う。 菅大臣の円安誘導発言、つまり「口先介入」がいろいろと報道されて、菅氏がまずい対応を取ったかように扱われていた。ただ、この件で総理がコメントする場面がニュースに出ていたが、全体を聞いた印象では問題視するような印象は受けなかった。今もNHKが「波紋が広がっている」と報じているが、正直、この件はそれほど大々的に取り上げる問題なのか、という気がする。意図的に騒ぎを大きくしているきらいがある。 報道では、発言で相場を動かしたこと自体を問題にするかのようなものもあったが、つい数年前は介入しまくりで、それに比べれば発言でちょっと動いたこと自体は大した話ではない。口先介入はただの方法論で、あまりやらない方がいいのは、逆に相場の安定化が

    neco22b
    neco22b 2010/01/09
    俺もまあ、よかったと思う。具体的な水準を言ったことについては、?かもしれんが。//この発言の前は、財務大臣が変わっても介入等できないだろうという予測記事とかもあったと思う。
  • 本石町日記

    日銀取材の備忘録

  • 金(ゴールド)はヘッジ手段として有効なのか=フェルドシュタイン教授の見解 | 本石町日記

    Economist's Viewにマーティン・フェルドシュタイン教授の金相場についての見解があったので簡単に紹介したい。 ・最近、ドバイに行ったら、空港でたくさんの旅行者がゴールドのコインを買っていたのが印象的だった。 ・個人はコインのほか、延べ棒とか金ファンドとか買い、機関投資家も買っているようだ。 ・では、金投資はインフレや通貨安へのヘッジ手段として有効なのだろうか? ・簡単に言えばノーであろう。 ・インフレヘッジとしては他にもインフレ連動債などの手段がある。 ・通貨についても先物がある。 ・金自体も過去の推移を見るとヘッジ手段としてはそれほど有効だったわけではない。 ・金はリターンを生まない純粋な投機商品だ。 ・ボラは非常に高く、目先急落・急騰あり得るが、Caveat emptor(買い手は要注意) 金は買ってもいいけど、短期の投機として割り切るべきだろう、というスタンス。私もこれに

    neco22b
    neco22b 2010/01/02
    「金買いがインフレまたは通貨安のヘッジとして本当に機能してしまう世界は、社会秩序がかなり混乱した状態」
  • 「名無しの新型オペ」を決めた本日の臨時決定会合のポイント | 本石町日記

    ・新型の供給オペに名前はない。それでは困るので、私は取りあえず「名無しオペ」と命名した。 ・よく見ると、共通担保を特オペ化したようなものだ。 ・ただし、特オペは担保があれば無制限だが、この名無しは週一回、8000億円のオファーとなる模様だ。 ・特オペなど期限があったが、名無しは期限がない。いつまでも続ける形だ。いちいち止める判断をする手間が省ける。少し賢くなった。 ・10兆円とは何か。名無しを3カ月続けると、残高がそれくらいになる、というそれだけの意味。 ・量的緩和? さあ、私はその意味がよく分からない。 ・日銀が共通担保から特オペを切り出したとき、共通担保を3カ月固定指し値でやった方が簡単じゃね、と言ったが、名無しがこれじゃないのか。 日の臨時で画期的だったこと。 白川総裁が現在の潤沢に供給する政策スタンスについて「広い意味での量的緩和」と初めて量的緩和と言ったこと。そして、あんなにゼ

  • マスコミが騒ぐと相場は終わる、の巻=債券、やっぱり買いたかったのね | 本石町日記

    一応、こうなるとは予想していたのだが、何だもう終わったのか、とややあっけない印象であります。何せ最悪は国家破たんという財政赤字がテーマなので、もっと腰入れたショートが打ち込まれ、せめて1.5%は突破するだろうな、と思っておりました。しかし、実際はその手前から怒濤の買い戻しが入り、やっぱりみんな買いたかったのね、と改めてわがJGB市場の劣情を思い知ったのでありました。 この間の海外メディアの取り上げ方をEconomics, Technology & Mediaが紹介されている。plateausさんはツィッターの方で活発に呟かれており、これも参考になります。ご関心ある方はフォローを。で、今回は海外メディアの報道が目立った財政赤字相場である。結果的には宝くじに当たったようなもんだが、初期的にショートで入った向きが、少しでも今回のシナリオを描いていたとしたらナイスであった。 民主党政権が発足直後

    neco22b
    neco22b 2009/11/12
    「ただ、このテーマはずっと続くので、また第二波、第三波があるであろう」
  • 財政赤字がマーケットネタになっている件 | 本石町日記

    このところ財政赤字が債券マーケットでネタになっている。政権が民主党になり、バラマキ→財政悪化という構図が描かれやすいため、マスコミも長期金利の上昇はある意味、おいしいネタになっている。ただ、今回は国内よりも海外のマスコミが騒いでいる感じが強く、これに乗じて外資系ファンドもオプションとか使って債券ショート方向で仕掛けている様子がうかがえる。で、どうなるのか、の考察である。 私は、積極的な財政出動論者ではないが、結論的に言えば、まだ当分は財政リスクプレミアムが格発生する状況ではなく、今回の金利上昇を深追いする向きは最終的には全滅を余儀なくされるのではないか、と思う。理由は、①金融機関はなお運用難のために国債を買わざるを得ない②そしてデュレーションを徐々に伸ばして行かざるを得ない③なんだかんだ言ってホームバイアスは強力な状態が続く-ため、過去と同様に金利上昇は長続きせず、再び低下基調に戻ると思

  • 通貨発行益(シニョリッジ)をめぐる勘違い : 本石町日記

    しばらく前、ある書評を頼まれた。かなり興味深い内容だったが、「一万円の原価は約20円。従って通貨発行益は原価を差し引いた9980円である」との部分があった。多分、勘違いだとは思うが、一万円の発行益が9980円と思っている人は意外に多い。私もその一人であったからだ。先日もある著名なエコノミストと通貨発行益の話をしていたら、「エーッ!、9980円じゃないの?、てっきりそうだと思っていた」と驚いていた。 日銀のバランスシート(B/S)を大雑把にみると、負債側に銀行券、資産側に国債がある。日銀は銀行券の見合いで国債を保有しており、国債買いきりオペが銀行券見合いと位置付けられているのもそのため。銀行券は金利コストのない負債であり、見合った国債の利子収入が通貨発行益となる。一万円だと一万円相当の国債がある格好で、この国債が10年物だとした場合、長期金利1.2%で、単純計算すると年120円が発行益と

  • 「金融政策」と「金融調節」と「FRBの大量供給」の関係&国債の買いや売りなど | 本石町日記

    下のエントリーで、maconnさんからコメントとトラックバックを頂いた件で、補足的な意味も兼ねて「FRBの大量供給」をどう捉えるべきかを説明してみたい。中央銀行のやっていることは普段も分りにくいが、金融危機が起きて大量の資金供給がマスコミで大々的に取り上げられると、それ自体が政策的に重要な印象をもたらす。もちろん、大量供給は「重要なこと」だが、政策運営でどういう位置づけにあるのかはあまり整理されては伝えられない。この件は何度か取り上げたが、おさらいの意味で改めてざっと解説を試みたい。 まず、中央銀行のマーケットオペレーションで最も重要なのは「金融政策」である。FRBはFF金利を今だと2%で推移させることが「金融政策」で、これは次のFOMCまで変わらない。FRBの傘下で、金融政策を実行するNY連銀は「FFを2%で維持する」ことが最重要の任務となる。そのうえで、日々いろいろなオペレーションを行

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