浜村淳には感謝している。いまこうしてHONZでレビューを書けるのも彼のおかげかもしれない。もう40年も前のことになるが、ノンフィクションの本がこんなに面白いものだということを最初に教えてくれたのだから。柳田邦夫の『マッハの恐怖』を紹介することによって。 もうひとつ、浜村淳は映画を見ることの楽しみを教えてくれた。『おいおい、浜村淳っていったい誰なんだよ。君の友達かい?』と、と~きょ~もんは尋ねるかもしれない。違います。関西では知らぬ人のない、映画評論家にしてラジオパーソナリティーのおじさんです。『ありがとう浜村淳です』というMBS毎日放送のラジオ番組を40年近くも平日の朝に続けている、といえば、その知名度もわかるだろう。 丸刈りの中学生時代から縮れ毛がふさふさしていた高校生時代にかけて、『ヒットでヒット バチョンと行こう』という、なんともベタなタイトルをもった大阪ローカルの深夜ラジオ番組を聞