夏の期間だけ全国的に時間を早めるサマータイムの導入に向けた検討を、安倍晋三首相が自民党に指示したことが議論を呼んでいます。2020年東京五輪・パラリンピックの「猛暑対策」として実施したい意向ですが、唐突で乱暴な持ち出し方です。サマータイムは敗戦直後に一度実施されたものの、睡眠不足や長時間労働をまん延させ国民の批判を浴び早々と廃止されたものです。その後導入をめざす動きが何度か浮上しても、支持や理解は広がりませんでした。国民に負担を強いる制度を、五輪に便乗して復活させようというのは、まさに「悪夢」です。 「体にむち打つ」と警告も サマータイムは、夏季に標準時間より時刻を早めた「夏時刻」を国全体で実施するというものです。東京五輪開催期間を中心に1~2時間進める案などが取りざたされています。マラソンなどの時間を前にずらせば、涼しい時間に競技ができるとのもくろみです。 しかし熱帯夜が続く東京では時間