三日月の頃は夕方西の空に出てすぐに沈んでいた月が,満ちていくにつれ遅い時間に沈むようになり,太陽の反対側にある満月の頃には一晩中見えるようになっていく様子がわかりますね。 月の出の時刻は,平均すると,毎日だいたい 50分くらいずつ遅くなっていきます。 昔,日本では月の満ち欠けを基準とする“陰暦”(いんれき)を使って生活していたこともあってか,特定の形の月が昇るのを待って拝む月待ちの行事が行われていました。また,こうして月が出るのを待って過ごしたことから,遅くなっていく月の出を表す呼び名も生まれました。“十六夜(いざよい)の月” “立ち待ちの月” “居待ちの月” “臥(ふ)し待ちの月” “更待ちの月” などという言葉がそれにあたります。 “いざよい”は,ためらってぐずぐずすることで,“十六夜の月”は,ためらうように昇ってくる満月の翌日の月を表した呼び名です。また,“立ち待ちの月”は出てくるの