とうとう源頼朝が大河ドラマから姿を消してしまいました。夢幻世界のような頼朝の最期の場面で政子が寄り添う姿はほんとうにすばらしかった。大泉洋さん、半年間ありがとうございました。 夢幻の中のような場面で、頼朝が政子に「これはなんですか?」と食べ物の名前を聞く場面がありました。この台詞は、ドラマのごく初期、頼朝が食事を運んだ政子に食べ物の名前を聞いた、出会いに近い場面の台詞を再現していたようです。 貴人が物などの名前を尋ねるという行為は、古典文学によく出てきます。 とても有名なのは、『伊勢物語』芥河の章段、在原業平が高子を盗み出して、駆け落ちする場面です。 昔男ありけり。女のえ得まじかりける、年を経てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でていと暗きに来けり。芥河といふ河を率て行きけれは、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ」となん男に問ひける。 「草の上に置きたりける露を、かれは何ぞとなん男に
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