記事:筑摩書房 強盗殺人事件があった現場周辺。多くの捜査員が駆けつけた=2023年1月19日、東京都狛江市(朝日新聞社) 書籍情報はこちら 最愛の家族を守るため“凶悪犯”に 「もう本当に家族が殺されると思って……。やりたくなかった。でも、もうやるしかないと……」 2021年11月。横浜地裁402号法廷に桶谷博(仮名、当時29歳)の姿があった。証言台の前で五分刈りにした頭を深く垂れ、痩身の背中を小さく丸めて言葉を詰まらせながら嗚咽(おえつ)し、桶谷は泣きじゃくった。 住居侵入、強盗致傷、強盗未遂、窃盗……。起訴状にずらりと並べ立てられた罪名はまさしく“凶悪犯”そのものだが、あまりに桶谷の様相とはかけ離れていた。桶谷は、20年9月、横浜や川崎で連続発生した緊縛強盗の犯人として逮捕された。 侵入強盗や窃盗を繰り返し、計198万円を不正に引き出したとされる桶谷の身には、わずか2カ月のうちに、壮絶な
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