人口約6000の町に、年80万人近くの観光客が押し寄せています。 町に人を呼び込んでいるのが、「ガストロノミーツーリズム」という新たな観光の形です。「料理を味わう」だけでなく「食文化を学ぶ」「みずから作る」などの食体験をするために、その土地に赴くことを指しますが、なぜ人々をひきつけているのでしょうか。 イセエビやサザエ、日本酒…。首都圏近郊で注目の“美食の町”を取材しました。(首都圏局/ディレクター 韮澤英嗣) 食が地域の宝に! ガストロノミー先進地 千葉県いすみ市 千葉県の外房に位置する、人口3万5千のいすみ市。いま、この町の食を目当てに、年間45万人以上が訪れます。 豊かな海と里山に恵まれたいすみ市は、農業や漁業などの一次産業が盛んです。 しかし、担い手の高齢化が進み、自治体は強い危機感を抱いていました。 食に注目するきっかけとなったのは、10年ほど前、町を訪れた人がつぶやいた一言でし