東日本巨大地震が起きた震源域内では、約1100年前にも巨大地震が起き、宮城―福島県沿岸部を中心に「貞観(じょうがん)津波」と呼ばれる大津波をもたらしたことが、産業技術総合研究所などの調査で判明している。 福島第一原発を襲った今回の津波について、東京電力は「想定外」(清水正孝社長)としているが、研究者は2009年、同原発の想定津波の高さについて貞観津波の高さを反映して見直すよう迫っていた。しかし、東電と原子力安全・保安院は見直しを先送りした。 869年の貞観津波が痕跡を残した堆積層が見つかったのは、宮城県石巻市から福島県浪江町にかけて。海岸線から内陸3〜4キロまで浸水していたことが分かった。貞観津波の450年前に大津波が起きたことも判明。貞観津波クラスが、450〜800年間隔で起きていた可能性がある。産総研活断層・地震研究センターの岡村行信センター長は同原発の想定津波の見直しを迫ったが、聞き