英国の国民投票結果がEU離脱を選択して以来、さまざまな解説が流れている。しかし日本の現状から直訳して自己投影で解釈してしまうと、今回の英国民投票に潜む普遍的な問題を日本社会が学ぶ機会を逸してしまう。 センチメンタルな自己投影・舌足らずな批判 どうやら日本における認識では、離脱派は「エリートには無視された民衆・労働者階級の反乱」とされているようだが、こういった言い方に潜む60年代的なセンチメンタリズムは、あまりに一面的にすぎて認識を誤らせると思う。ロンドン以外の経済が壊滅している英国において、産業も魅力もなく社会から忘れられた地域に住む人々〜見捨てられて無視されつづけている人々〜を中心に、積年の恨みと怒りがあったのは確かであろう。しかしそれは今に始まったことではなく、イギリスにおいては製造業をつぶし地方を見捨てたサッチャー改革にまで話はさかのぼるであろう。 また、怒りを率いる離脱派の看板は英