昔々ある谷あいの小さな村にめんこい女子たちが暮らしておった。 村には女が少なかったが、女子たちは男らにかわいがられながらすくすくと大きくなった。 村人たちは村の窯で日々焼き物を焼いて暮らしておった。 女子らも村の土をせっせとこね、あれこれ工夫しながら焼き物を焼いておった。 この焼き物はよその村でもなかなか評判がよかった。 「うちの村の女子はなかなか腕がいい」 「ほんにな。呟き村の村長どんも誉めておったと」 「なあに、まだまだよ。所詮は女子の作る物じゃ」 村人たちは女子らを身内かわいさで誉めることもあれば、やっかんで貶すこともあった。 女子たちはそんな評判をちゃんと聞いておったが、そしらぬふりでにこにこしておった。 小さい頃から荒くれ者に揉まれた女子たちは立ち回りが上手かった。 そして村一番が誰か、誰と誰が仲がいいかを見てから物を言うよう心得ておった。 やがて女子らは村の外へ焼き物を売りに行
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