<村上春樹は、関西弁から標準語へ言葉を変えなければ作家にならなかったと述べている。言語が人の思考方法や性格に与える影響とは?> 錦織の会見は最初に英語の質問、そして日本語となる。(......) 英語は「ほとんどすべて支配した」と最大級の自画自賛。これが本音だろう。日本語になると、日本人らしい謙虚さが顔を出した。「相手も本調子じゃなくミスも多かったので、もっとレベルを上げていける」(朝日新聞、2015年3月30日 朝刊) 錦織選手は二重人格なのか? いや、そうではない。錦織選手に限らず、外国語を話すと性格が変わるという人は多い。 わたし自身、かつてヨーロッパに住んでいたとき、ドイツ語やイタリア語、さらに英語を話す場合は、それぞれちょっと違う自分になったものだ。 イタリア語を話すと声やジェスチャーが大きくなり、なぜか気持ちが弾んで、いくぶんオーバーな表現になる。 そんなイタリアが肌に合わずド