「今日はガッツリ系のが食べたい」 子供を産んで10キロほど太り、かわいくなった嫁がおねだりするのでカツ丼を作ることにした。ちなみに愛する嫁は料理が下手なので我が家では旦那であるワタクシが夕食を担当している。 近所のスーパーで激安のカナダ産豚肉を買ってきて、人気ユーチューバーのマネをして塩コショウをフリフリ。少し寝かせる間ができたので、キッチンの小窓から空を眺めていると、豚肉の故郷のことを思い出した。 語学留学でワタクシがカナダに渡ったのは大学生の頃だった。 住所だけを頼りにホームステイ先に辿りつくと、いかにも北米といった感じの大きな白い一戸建てから、想像していた通りのマリリンという金髪のホストマザーが笑顔で迎えてくれた。 さっそく部屋に案内されると、窓のない3畳ほどの地下室にベッドと簡易の机が置かれているだけの監獄のような部屋だった。 ワタクシは、まぁこんなもんだろくらいに思っていたのだが