1. 菅直人政権への支持率がこれだけ高いとは、率直に言って予想外だった。本当に、暗澹たる思いである。菅首相自身については、昔書いた記事以上の感想はないが、これも以前指摘したように、「目指されているのは、絶対的な安定政権なのであって、その下でのみ、改憲や消費税増税や日米FTAの締結など、大衆から強い反発を買うであろう政策を実施できるのである。だから、より力の強まった形での民主党政権と大連立は基本的に同義なのであって、両者は簡単に入れ替わる」。仮に民主党が参議院選で単独過半数が実現するほど勝利すれば、上で言うところの「より力の強まった形での民主党政権」になるのであって、大連立が成立したのとほぼ同じことになる。 そして、これも以前指摘したことであるが、「自民党にせよ民主党にせよ、日本国家・日本社会の排外性・親ファッショ的な性格を問題にしていないのだから、両党の抗争がそれなりに互角の場合には、相手
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どうしてこんな不幸が自分にだけやってくるのだろう。そう途方に暮れたことのない人は、うらやましいと私は思う。特に深刻な病気は耐え難い。有史以来、多くの人が不遇の人生を歩み、悩み、考え、記した。旧約聖書にもこのテーマがある。 ヨブという正しい人が、神様の命令で悲惨な病気になる。病気を直接もたらしたのはサタンだ。といってもこの時代のサタンは後の西洋史の悪魔とは少し違うが、サタンは神のそばにいながら、ヨブの信仰を疑っていた(神を疑っていた)。そこで神様に、あんな正しいフリをしているヨブでも、理不尽な病気になれば、神様、あなたを呪いますよと進言した。神様は、ではそうするがよいだろうとサタンに命じた。ヨブは苦しみながら神を呪った。 この話にはハッピーエンドが付いている。そこでユダヤ教徒もキリスト教徒も信仰に慰めを得ている。聖書学を学んだ私は、そのエンディングが、この悲惨な物語に耐えられなかった後代の加
首相交代後の一連の国会運営、そして6月17日に発表された民主党の参院選マニフェストの内容を読んで、菅政権は「新ファシズム」(ファッショ的専制政治)のまえぶれともいうべき、きわめて危険な政権ではないかとの印象を強く持った。理由はたくさんある。 第1は、言動不一致の大きさだ。野党のときはあれだけ「総選挙抜きの首相のすげ替え」を攻撃しておきながら、政権与党になった途端、なんの衒い(てらい)もなく首相のすげ替えをやる。また首相が交代したにもかかわらず、国会は所信表明と代表質問だけで、具体的な論戦の場を一切開こうとしない。極めつきは、小沢・鳩山の「政治とカネ」問題に頬かぶりしたまま、マニフェスト冒頭に臆面もなく「とことんクリーンな民主党へ」と書いたことだ。 第2は、国民への公約を破ることになんの痛痒も感じていないことだ。今回の参院選マニフェストは、昨年8月の総選挙マニフェストから1年も経ていない。だ
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