松田康博 『日本現代中国学会ニューズレター』(第63号 2021年5月31日)が送られてきた時、標題にある元理事長の坂元ひろ子一橋大学名誉教授が書かれた巻頭言を読んで、強い違和感を覚えた。全文はここで見ることができる(http://www.genchugakkai.com/archive/newsletter/jamcs_n_63.pdf)。 私は20数年前から現中学会の会員であり、何度も報告をしたり、コメンテーターもしたりしているし、自分の学生にも入会を勧めている。運営にも少しだけ関わったことがある。いたって普通の一会員に過ぎない。 坂元先生は、近現代中国思想文化史のご専門で、ジェンダー研究にお詳しい。政治学を学んだ私とも、権力構造を見ていく点において共有する部分があるものの、直接的にご一緒に研究したり、議論したりすることは、これまでなかった。ただし、今回は元理事長として、学会の70周年