ブックマーク / gendai.media (35)

  • いま、「弱さ」でしか男を描けないーー村上春樹原作でカンヌ脚本賞受賞の濱口竜介監督が語る(熊野 雅恵)

    先月開催されたカンヌ国際映画祭で、脚賞を含め4つの賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』が8月20日より公開中だ。 監督を努めたのは、昨年、『スパイの』(‘20)でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞(共同脚)し、今年に入って『偶然と想像』(今秋公開予定)でベルリン国際映画祭銀熊賞した濱口竜介さん。村上春樹原作の作に込めた思いについて聞いた。 『ドライブ・マイ・カー』 舞台俳優であり演出家の家福悠介(西島秀俊)は、かつて女優であり、その後脚家に転身した愛するの音(霧島れいか)と幸福な日々を送っていた。ところが、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう。2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は寡黙な専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と出会う。との記憶が刻まれた車の中で、ドライバーのみさきとお互いの過去を明かすうちに、家福は目を背けて来たあることに向き合うようにな

    いま、「弱さ」でしか男を描けないーー村上春樹原作でカンヌ脚本賞受賞の濱口竜介監督が語る(熊野 雅恵)
  • 映画『おおかみこどもの雨と雪』を「格差」と「差別」の関係から読み解く(河野 真太郎) @gendai_biz

    細田守監督『おおかみこどもの雨と雪』(2012年公開)は、「格差」と「差別」をめぐる物語であり、社会的な「排除」と「包摂」をめぐる物語である。どういうことか解きほぐしていこう。 「おおかみ」のモチーフを取り払うと…… 『おおかみこども』の主人公、花は東京郊外の国立大学に通う学生であるが、大学の講義に潜って受講する「彼」に惹かれ、二人は恋に落ちる。ところが「彼」は、自分がおおかみに変身できる「おおかみおとこ」であることを告白する。花はそれを受け容れ、二人は事実婚をして二人の子供、女の子の雪と男の子の雨を産む。二人とも「彼」の血を継いだ「おおかみこども」であった。 ところがある日、子どもたちのために雉(きじ)を捕まえようとしたらしい「彼」はおおかみの姿のまま死んでしまう(実際の原因は不明)。花は独力で二人を育てようとするが、「おおかみこども」を都会で育てることは不可能であり、富山の人里離れた古

    映画『おおかみこどもの雨と雪』を「格差」と「差別」の関係から読み解く(河野 真太郎) @gendai_biz
  • 新書の役割――「ナチスは良いこともした」と主張したがる人たち(田野 大輔)

    DIG 現代新書クラシックス(7)群像×現代新書のコラボ企画「DIG 現代新書クラシックス」の第7弾(『群像』7月号掲載)は、甲南大学教授の田野大輔氏による、石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』(2015年刊)の紹介です。 「ナチスは良いこともした」と主張したがる人たちの心理とは? 不正確で一面的な情報に惑わされないために、入門書が果たす役割を示します。 ナチスは良いこともした? ナチスが「絶対悪」であり、未曾有の災禍の元凶であることは、今日では常識となっている。だがインターネット上ではむしろ、「ナチスは良いこともした」と声高に主張したがる人が増えている。 アメリカトランプ現象やヨーロッパの排外主義運動といった近年の国際情勢を反映してか、わが国でもナチズムへの社会的関心は高まっているが、一般に出回っている情報には著しく不正確なもの、とうに否定された俗説も少なくない。 実は先日、筆者にそのこ

    新書の役割――「ナチスは良いこともした」と主張したがる人たち(田野 大輔)
  • 『進撃の巨人』は「時代の空気」をどう描いてきたか? その圧倒的な“現代性”の正体(杉田 俊介) @gendai_biz

    徹底的に「政治的なマンガ」 「別冊少年マガジン」2009年10月号から連載がはじまり、巨大なブームを巻き起こしてきた諌山創(いさやま・はじめ)『進撃の巨人』が、先頃、ついに同誌2021年5月号で完結した。最終34巻は6月9日刊行。あらためて全体を読み返してみると、2010年代の殺伐とした社会的・政治的なリアリティを、『進撃の巨人』がきわめてアクチュアルに描ききっていた、という事実に驚かされる。 『進撃の巨人』は、徹底的に政治的なマンガだったと言える。政治的といっても、日の政党政治や社会問題をそのまま描写している、ということでは当然ない。現代社会における「政治的なもの」の国際的な動向の核心を直観的につかみ、それを物語の中心に深く埋め込んでいた、という意味である。それは稀有なことだった。 香港生まれで地域文化研究を専門とする銭俊華【ちん・ちゅんわ】の『香港と日――記憶・表象・アイデンティテ

    『進撃の巨人』は「時代の空気」をどう描いてきたか? その圧倒的な“現代性”の正体(杉田 俊介) @gendai_biz
  • 「オタク」になりたい若者たち。倍速でも映画やドラマの「本数をこなす」理由(稲田 豊史) @gendai_biz

    映画を早送りで観る理由 #2 個性的でなければ戦えない】 映画やドラマやアニメを倍速視聴、もしくは10秒飛ばしで観る習慣に対する違和感を、記事「『映画を早送りで観る人たち』の出現が示す、恐ろしい未来」に書いたところ、大きな反響があった。その記事の中で、一部の人たちが「聞き捨てならない」と憤慨する箇所があった。 「忙しいし、友達の間の話題についていきたいだけなので、録画して倍速で見る」 「内容さえわかればいいからざっと見て、細かいところはWikipediaで補足する」 おもに10代から20代の若者の声である。察するに彼らの多くは、ことさらコアな映画ファン、ドラマファン、アニメファンでもなければ、それらを大量にチェックする仕事に就いているわけでもない。 なぜ、そこまでして話題についていかなければならないのか。 LINEグループの“共感強制力” 大学の講義や就活イベントなどで現役大学生と触れ合

    「オタク」になりたい若者たち。倍速でも映画やドラマの「本数をこなす」理由(稲田 豊史) @gendai_biz
  • 映画やドラマを観て「わかんなかった」という感想が増えた理由(稲田 豊史) @gendai_biz

    映画を早送りで観る理由 #1 説明過多の時代 前編】 先日、映画やドラマやアニメを倍速視聴、もしくは10秒飛ばしで観る習慣に対する違和感を、記事「『映画を早送りで観る人たち』の出現が示す、恐ろしい未来」に書いたところ、予想を遥かに上回る反響があった。「よく言ってくれた」と溜飲を下げる人、「どう観ようが勝手」と怒りだす人、記事に触発されて持論を熱っぽく展開する人など、反応は様々にして百家争鳴。その後、記事は地上波TV番組で取り上げられ、倍速視聴を特集したネット番組に筆者がZoom出演する事態にまで発展した。 記事で指摘した倍速視聴・10秒飛ばしの背景は、大きく3つ。「無料もしくは安価で観られる作品が増えた結果、時間が足りない」「時間コスパを求める人が増えた」「セリフですべてを説明する作品が増えた」。 中でも、もっとも多くの議論を呼んだのが、3つめの「説明セリフの増加傾向」である。なぜこのよ

    映画やドラマを観て「わかんなかった」という感想が増えた理由(稲田 豊史) @gendai_biz
  • 「旭川14歳女子凍死事件」を受けて高校1年生の息子と話した性暴力のこと(太田 奈緒子)

    12歳の中学1年生に襲い掛かった同世代による性暴力 『SNS-少女たちの10日間』が日4月23日から順次、全国で公開される。これは大人の女性が12歳の少女になりすまして実際のSNSに投稿をしてみたところ、その「少女」たちに群がってくる大人たちによる性暴力の現実を浮き彫りにしたドキュメンタリー映画だ。ひと足先に高1の息子とこの作品を観て親子で話したことを記事にした。 しかし、その後、文春オンラインで報じられた痛ましいニュースに大きな衝撃を受けた。それが今、社会的にも注視されている『旭川女子中学生凍死事件』だ。 文春オンラインで報じられた中身を簡単にお伝えしよう。北海道旭川に住む12歳の少女は2019年4月に中学に入学してからずっと学校の先輩や同級生から性的な嫌がらせを中心とした壮絶ないじめを受けていた。度重なる脅しの結果、自撮りしたわいせつな写真を送らされる。その写真を仲間に拡散されてしま

    「旭川14歳女子凍死事件」を受けて高校1年生の息子と話した性暴力のこと(太田 奈緒子)
  • 「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来(稲田 豊史) @gendai_biz

    Netflixに実装された1.5倍速 気がつくと、Netflixをパソコンで観る際に1.5倍速で観られるようになっていた。セリフは早口になるが、ちゃんと聞き取れる。字幕も出る。筆者のブラウザはSafariだが、少なくとも1年前、日Netflixにこの機能はなかった。 調べると、Netflixは2019年10月より、モバイルとタブレット端末を対象として試験的に再生速度調整機能を導入していた。その後順次導入が進み、現在では、パソコン及びAndroid、iOSデバイスでの再生時に、再生速度を0.5倍、0.75倍、1倍(標準)、1.25倍、1.5倍に変更できる。 再生画面には他に、「10秒送り」「10秒戻し」ボタンがある。クリックもしくはタップすれば、一瞬で10秒後・10秒前に飛ぶ。TVモニタでの視聴時に倍速視聴はできないが、リモコンの右を押せば10秒飛ばし、左を押せば10秒戻しが可能。なお、

    「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来(稲田 豊史) @gendai_biz
  • なぜ社会は「男性」を競争に駆り立て、搾取するのか…? その進化論的な理由(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz

    なぜ社会は「男性」を競争に駆り立て、搾取するのか…? その進化論的な理由 文化進化論とジェンダー・ギャップ 意図せざる帰結としての性差別 現代の社会における様々な領域に男女格差が存在していることは、疑いもない。たとえば世界経済フォーラムが毎年発表している「ジェンダー・ギャップ指数」では、各国における男性と女性との間の格差が「ジェンダー間の経済的参加度および機会」「教育達成度」「健康と生存」「政治的エンパワーメント」という四種類の指標に基づいて計算されてランク付けされている。日は2015年以降は毎年100位以下であり、先進国のなかでも最下位で悪名高い。 では、具体的には、日における男女格差とはどの領域で発生しているのか? 四つの指標を詳細に見てみると、教育と健康に関しては、男女格差はほとんど存在しないことがわかる。「ジェンダー・ギャップ指数2020」によると、総合ランキング一位のアイスラ

    なぜ社会は「男性」を競争に駆り立て、搾取するのか…? その進化論的な理由(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz
  • 『シン・エヴァ劇場版』の高クオリティを実現した、庵野秀明の巧みな経営戦略(倉田 雅弘) @gendai_biz

    『シン・エヴァ劇場版』の高クオリティを実現した、庵野秀明の巧みな経営戦略 スタッフに利益が還元されるシステム 「会社のためのフィルムは面白くない」 「理解してしまったら経営者になってしまいますよ(笑)。自分がそうなったら、守りのフィルム作りになってしまう。(サラリーマン的な)会社のためのフィルム作りって面白くないんですよ、やっぱり」(1997年刊行の『庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン』より) これは、当時在籍していた株式会社ガイナックスが、『トップをねらえ!』を下請けのスタジオに丸投げしようとしていたことを非難した、庵野秀明の言葉だ。ガイナックスの元社長が「庵野は会社を経営するということの困難さをまったく理解していない」と発言していると聞いて、冒頭のように答えている。 この発言から10年後の2006年、庵野は自らが代表取締役を務める株式会社カラーを設立することになる。 2021年3月8日

    『シン・エヴァ劇場版』の高クオリティを実現した、庵野秀明の巧みな経営戦略(倉田 雅弘) @gendai_biz
  • 『呪術廻戦』は「死」をどう描いているか、『鬼滅』『チェンソーマン』との決定的な違い(杉田 俊介) @gendai_biz

    稿は『呪術廻戦』のストーリーの核心に触れる部分を含みます。 死を描く『鬼滅』『チェンソー』『呪術』 近年の「週刊少年ジャンプ」で連載されている『鬼滅の刃』、『チェンソーマン』、『呪術廻戦』、『アンデッドアンラック』等々を読んでいると、次のような印象を受けます。 これらの作品は、たしかに、いかにも「ジャンプ」らしい王道のバトルマンガの系譜を引き継いでいます。しかしそこでは、キャラクターたちのおびただしい死が積み重なり、毎号毎号、憂な展開のインフレを競い合っているかのようです。こうした暗な作品たちが「少年誌」と銘打った「ジャンプ」に毎週掲載され、しかもそれが青年や大人だけではなく、小学生たちにも(特に『鬼滅の刃』『呪術廻戦』)共感をもって読まれている現代の世相とは、いったい何なのか。 人間たちが無意味にあっけなく死んでいくのは、自然法則のように当然なことであり、普通のことだ。これらの作

    『呪術廻戦』は「死」をどう描いているか、『鬼滅』『チェンソーマン』との決定的な違い(杉田 俊介) @gendai_biz
  • ソフトバンクが「1兆円赤字」から一転、「3兆円黒字」に転じた「本当の理由」(加谷 珪一) @gendai_biz

    ソフトバンクグループが日企業としては過去最大となる3兆円の純利益を上げた。同社は2020年3月期に創業以来最大となる1兆円の赤字を計上したばかりだが、1年も経たずして最高益に転じた。これは同社が事実上、投資会社に変貌したことが最大の要因であり、この話はソフトバンクグループだけとどまるものではない。全世界的に産業構造の劇的な変化が進んでおり、従来型利益の概念は徐々に通用しなくなりつつある。 投資会社の利益と事業会社の利益は異なる ソフトバンクグループは2021年2月8日、2020年4~12月期の決算を発表した。純利益は前年同期比6.4倍の3兆551億円と過去最高を記録した。今回の決算は第3四半期のものだが、第3四半期ベースでも通期ベースでも過去に最高益を上げたのはトヨタ自動車であり、いずれも2兆円台なのでソフトバンクの利益水準は日企業にとって未踏の領域ということになる。 しかも同社は20

    ソフトバンクが「1兆円赤字」から一転、「3兆円黒字」に転じた「本当の理由」(加谷 珪一) @gendai_biz
    nettupuu
    nettupuu 2021/02/25
  • 日本の10代女子に「韓国」がこんなにウケてる「本当のワケ」(飯塚 みちか) @gendai_biz

    テレビではほとんど取り扱われない、なのに若者の間ではなぜか人気があるもの――その一つに「韓国」があるだろう。 昨今、若者向けのWEBメディアや雑誌の見出しには韓国トレンドやK-POPアイドルに関する話題がしばしば並び、若者の間で「韓国っぽい」はもはや「オシャレ」を意味する言葉と化した。 芸能界を目指す若者が、日ではなく韓国の芸能企画社を目指したり、実際に韓国でデビューするケースも増えている。 お世辞にも良いとはいえない政治的関係があるにもかかわらず、なぜ若者たちは「韓国」に魅了されてしまうのか。その秘密を紐解く上で重要となるのが「SNS」、そして「カウンターカルチャー」である。 韓国の若者向けプロダクトは「SNS映え」 「第三次韓流ブーム」とも呼ばれている現在の韓国ブームを支えているのは、10代を中心とした若年層世代である。 それ以前の「韓国好き」な人々と言えば、中高年の女性だったり「ア

    日本の10代女子に「韓国」がこんなにウケてる「本当のワケ」(飯塚 みちか) @gendai_biz
  • アメリカでの「ポリコレ」の加熱のウラにいる「i世代」の正体(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz

    では若者論への批判は強いが… ルキアノフとハイトの議論や、その元となっているトゥエンジの「i世代」論は、いわゆる「若者論」の一種であると言える。 日でも以前までは若者論は頻繁に語られてきたが、根拠のない若者バッシングに利用されてきたという経緯もあり、最近では若者論そのものに対する疑いや批判の声が強い。そのため、「i世代」に関する議論も、日ではあまり肯定的に受け止められないことが予想できる。 しかし、2020年の時点で31歳であり若者と中年との間にいる私自身のことや周りにいる同世代の人たち、あるいは年下の若者たちのことについて考えてみると、たしかにソーシャルメディアや電子機器と「脆弱性」は結び付いているような気はする。 「繊細さ」をアピールしたり「傷ついた」という経験を漫画に仕立て上げたりすると、日SNSでは共感が集まりやすい。また、日の若者の飲酒率・喫煙率やセックスの体験率は

    アメリカでの「ポリコレ」の加熱のウラにいる「i世代」の正体(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz
  • 「ポリコレ」を重視する風潮は「感情的な被害者意識」が生んだものなのか?(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz

    ポリコレ」を重視する風潮は「感情的な被害者意識」が生んだものなのか? 『アメリカン・マインドの甘やかし』(2) なぜアメリカの大学ではポリティカル・コレクトネスを重視する風潮が強まったのか。その要因を「世代」にスポットを当てながら社会学的・心理学的に分析した書籍『アメリカン・マインドの甘やかし』(未邦訳)の議論を紹介する連載。第一回はこちらから。 「被害者意識」の拡大 前回の記事に引き続き、憲法学者のグレッグ・ルキアノフと社会心理学者のジョナサン・ハイトの共著『アメリカン・マインドの甘やかし:善い意図と悪い理念は、いかにしてひとつの世代を台無しにしているか(The Coddling of the American Mind: How Good Intentions and Bad Ideas Are Setting Up a Generation for Failure)』(未邦訳)を

    「ポリコレ」を重視する風潮は「感情的な被害者意識」が生んだものなのか?(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz
  • 物理学者が本気で解説!クリストファー・ノーランと「時間」の科学(山崎 詩郎)

    クリストファー・ノーラン監督の全世界待望の最新作『TENET テネット』の日公開の時が目前に迫っています! 私はこの作品の翻訳と広報の科学監修を務め、幸運にもその魅力を世界に先駆けて体験することができました。 記事では、同じくノーラン監督の作品である『インターステラー』に触れながら、時間に関する科学で軽く準備運動をしておきましょう。それは、時間のジェットコースター『TENET テネット』の衝撃に備える安全バーになる……はずです。なお、『TENET テネット』編のネタバレは一切無いのでご安心ください。 『TENET テネット』は「!」と「?」の超連打 まず、皆さんが最も気になるであろう『TENET テネット』の率直な感想です。 ずばり「!」と「?」。「な、なんだこの映像はッ!!」という人生初めて見る奇怪な映像に脳の常識が崩壊する衝撃「!」と、「え?えぇ??……………」という脳が思考停止

    物理学者が本気で解説!クリストファー・ノーランと「時間」の科学(山崎 詩郎)
  • 日本で、そして世界で宗教が捨てられようとしている(島田 裕巳) @gendai_biz

    平成の間に日の宗教人口大幅減 今、宗教の世界は大変なことになっている。 日を含め、先進国においては、宗教は捨てられようとしている。信者が激減し、危機的な事態に陥っているのだ。 日の宗教団体の信者数は、文化庁が公表している『宗教年鑑』に記載されている。これは、それぞれの宗教法人の報告した数をそのまま載せたもので、果たして実態を反映したものであるかどうかが問題にもなるのだが、そうした表向きの数字を見ただけでも、宗教が捨てられようとしている実態は十分に明らかになってくる。 平成の時代が終わり、今は令和の時代になっているが、およそ30年続いた平成のあいだの変化を見てみよう。 まず、『宗教年鑑』の昭和63年版、つまり昭和最後の数字を見てみると、神道系の信者の数は約9618万人だった。 それが、令和元年版では、約8009万人と1600万人以上減っている。総人口の1割以上が減ったことになる。 より

    日本で、そして世界で宗教が捨てられようとしている(島田 裕巳) @gendai_biz
  • 「世界的知性」スティーブン・ピンカーが、米国「リベラル」から嫌われる理由(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz

    アメリカ言語学会への公開書簡 日でもよく知られた言語学者・認知科学者であるスティーブン・ピンカーをめぐって事件が起きた。 2020年7月初頭、アメリカ言語学会( Linguistic Society of America = LSA)に所属する会員たちから、同学会に所属するピンカーを、学会の「アカデミック・フェロー」および「メディア・エキスパート」の立場から除名することを請願する公開書簡が発表されたのである。この書簡には、博士課程の学生や助教授・教授を中心とした600名以上の会員たちの署名が付けられている。 公開書簡では、LSAが2020年6月に「人種的な正義」に関する声明を発表したことを受けて「ピンカーのこれまでの振る舞いはLSAの声明と矛盾するものである」と指摘されており、彼がLSAのフェローの地位にふさわしくない、と論じられている。ピンカーには差別の問題を軽視し続けてきた経緯があり

    「世界的知性」スティーブン・ピンカーが、米国「リベラル」から嫌われる理由(ベンジャミン・クリッツァー) @gendai_biz
  • 吉村府知事、イソジン騒動が示す「維新流イメージ戦略」の危うい実態(松本 創) @gendai_biz

    「嘘みたいな当の話」と、新型コロナウイルス対策にポビドンヨード入りうがい薬を推奨した吉村洋文・大阪府知事の記者会見(8月4日)から10日余り。「コロナの陽性者が減っていく」「ある意味、コロナに打ち勝てる」とぶち上げた発言に対しては、既に多くの批判がなされている。 医学的根拠の薄弱さ、研究初期段階での発表、買い占めの誘発。さらには、製薬会社の株価をつり上げるインサイダー取引ではないかという疑惑も浮上し、吉村氏は名誉棄損訴訟をちらつかせて打ち消しに躍起だ。 発言内容への評価はとりあえず措く。ここでは、吉村氏の「発信力」について考えてみたい。彼はどのようにして注目を集めるのか。一連のコロナ対応で、何を意図して情報発信してきたか。それを通して、「新型コロナ対応で最も評価する政治家」(毎日新聞の世論調査)となった吉村氏の政治手法、在阪局をはじめとするテレビとの関係、そして、今も関係が深い元府知事で

    吉村府知事、イソジン騒動が示す「維新流イメージ戦略」の危うい実態(松本 創) @gendai_biz
  • なぜ「クソどうでもいい仕事」は増え続けるのか?(酒井 隆史)

    会議、押印、官僚的儀式、なんとかコンサルタントになんとかエグゼクティヴ……私たちはなぜ「無意味な仕事」に苦しみ、「いい感じ」で働く自由を阻害されなければならないのか? 話題沸騰のデヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店)の訳者・酒井隆史氏による、日人のための「ブルシット・ジョブ」入門。 クソどうでもいい仕事! 「ブルシット・ジョブ」って、なんだろう? おそらく初耳というひとが大半かもしれない。が、最近はそうでもないかもしれない。というのも、他でもない『ブルシット・ジョブ』の訳者のわたしも、ひとからこの話題を出されることがよくあるからだ。 少しずつ紹介されているからだろうが、それがたぶん、たくさんのひとの心の、多少なりとも琴線にふれなければ、それほど話題にもならないだろう。 それでは、まず「ブルシット・ジョブ」(以下、BSJ)とはなにか。筆者であり

    なぜ「クソどうでもいい仕事」は増え続けるのか?(酒井 隆史)