落下物や転倒などから頭部を守るヘルメット。工場や作業現場で使用されるほ か、最近では防災用に常備している家庭も多く、身近な存在です。しかし、それがどのように作られているのか、意外と想像がつかない工業製品のひとつではな いでしょうか。そこで、業界のパイオニアであり、これまで産業用に特化して多種多様なヘルメットを世に送り出してきた「住べ テクノプラスチック株式会社」の喜連川工場(栃木県さくら市)を訪ねてみました。 戦後、警察予備隊からの発注でヘルメットの製造に着手 ――最初に、ヘルメットを開発されることになった経緯を教えてください。 住べ テクノプラスチック株式会社・代表取締役社長 栗原俊一さん。趣味は読書で、最近読んだ本は塩野七生『ギリシア人の物語』。「学生時代から日本、中国の歴史ものを好んで読んできましたが、今回初めてヨーロッパ歴史の一端に触れました」 栗原社長:はじまりは、昭和27年にさ