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ブックマーク / kazu-yamamoto.hatenablog.jp (47)

  • SemigroupがMonoidに恋するとき - あどけない話

    復習 Semigroup 結合則 (a・b)・c = a・(b・c) class Semigroup a where (<>) :: a -> a -> a Monoid 結合則 (a・b)・c = a・(b・c) 単位元 e・a = a・e = a class Semigroup a => Monoid a where mempty :: a mappend :: a -> a -> a mappend = (<>) 題 Haskellerの中には、「設定はMonoidであるべき」宗派が存在する。そのような信念を持つHaskellerが作ったライブラリを使おうとすると、Monoid のインスタンスを (<>) でつないで設定データを構築することになる。 この記事では、SemigroupをMonoidに昇格させるのはいつかという話題を扱うので、まずSemigroupである設定データから始

    SemigroupがMonoidに恋するとき - あどけない話
  • Haskell でのデバッグ - あどけない話

    「純粋関数型言語はデバッグしにくい。だって純粋な関数で printf デバッグできないから」とつぶやいている人をよく見かけます。これまで放置してきましたが、リツイートが50を超えたので、Haskellでのデバッグについて書きます。 例外処理と同じように、Haskell でのデバッグでは、純粋な関数と IO を分けて考える必要あります。 IO での printf デバッグ IO では、putStrLn や print が使えるから問題ないですよね? foo :: Int -> IO Bool foo i = do x <- あれして i putStrLn $ "x = " ++ show x これして putStrLn "ここも通過" -- それもする y <- それもする print y return y ちなみに、forkIO 起動した軽量スレッドから putStrLn する場合、軽量ス

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  • [OCaml]書評「プログラミングの基礎」 - あどけない話

    僕はよく「関数プログラミングの入門書には何がいいか」という質問を受ける。そのときは必ずこの(と他のいくつか)を答えるようにしている。書評を書いたつもりになっていが、検索してみると書いてないようなので、反省して良書を紹介してみようと思う。 プログラミングの基礎 ((Computer Science Library)) 作者: 浅井健一出版社/メーカー: サイエンス社発売日: 2007/03/01メディア: 単行購入: 17人 クリック: 409回この商品を含むブログ (127件) を見る 書はプログラミングの経験のない人を対象としており、書名通りプログラミングの基礎が説明されている。使用する言語は OCaml である。著者の浅井先生は、お茶の水女子大学でプログラミングを教えている。授業の経験を元にしたにはよくあることだが、内容が実に整然としており、例題がこなれている。 初心者を対象と

    [OCaml]書評「プログラミングの基礎」 - あどけない話
  • 高速な累乗計算 - あどけない話

    累乗(x^n)を単純に計算すると、オーダーは O(n)となり効率が悪いです。そこで、nを2の累乗に分解して計算する高速化手法が一般に知られています。 たとえば、3 の 11 乗を計算する場合を考えましょう。11 は 1 + 2 + 8 に分解できます。 この累乗の系列では、ある値は一つ前の値を2乗することで計算できます。たとえば、こうです。 3^1 = 3 3^2 = 3 * 3 = 9 3^4 = (3^2)^2 = 9^2 = 81 3^8 = (3^4)^2 = 81^2 = 6561よって、3^11 は以下のように計算できます。 3^11 = 3^(1+2+8) = 3^1 × 3^2 × 3^8 = 3 × 9 × 6561 = 177147この方法のオーダーは、O(log2(n)) です。 遅延評価風に RSA のために高速な累乗計算を Haskell で実装したことがありまし

    高速な累乗計算 - あどけない話
    nfunato
    nfunato 2016/07/02
  • HaskellでRSA - あどけない話

    Haskell には Integer があるので、RSA の計算は簡単なのではと思い立ち、作ってみました。RSA の計算方法や、RSA129 を知らない人は、まず「はやわかりRSA」を読んでみましょう。 暗号化と復号化 x^exp (mod n) を高速に計算する関数を実装できれば、暗号化も復号化も簡単です。 rsaEncrypt :: Integer -> Integer -> Integer -> Integer rsaEncrypt e n plain = powerMod plain e n rsaDecrypt :: Integer -> Integer -> Integer -> Integer rsaDecrypt d n cipher = powerMod cipher d n powerMod x exp n = iter exp seq 1 where seq = it

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    nfunato
    nfunato 2016/07/02
  • Maybe モナドの秘密 - あどけない話

    Real World Haskell 読書会での Maybe モナドに関する議論をまとめておきます。 case と Maybe モナドの導入には、必ずといっていいほど、Maybe が使われます。たとえば、子供をキーとして検索すると、父親を得られる DB があるとします。 type DB = [(String,String)] db :: DB db = [ ("Bob","Dave") , ("Dave","Steve") , ("Steve","Tony") ] コードを簡潔にするために、DB を検索するための補助関数を導入します。 lookup' :: DB -> String -> Maybe String lookup' = flip lookup これらと case を使って、ひいおじいさんを探すコードを書くとこうなります。 -- コード1 findGGFather :: Str

    Maybe モナドの秘密 - あどけない話
  • Haskellの文法(分岐編) - あどけない話

    僕が Haskell を学び始めた頃、Haskell の文法はすんなりとは頭に入ってきませんでした。もともと僕はプログラミング言語の学習能力が低いので、僕だけかもしれませんが、「はじめからこう言ってもらえれば分かったのにぃ」ということを書きます。 はじめの一歩 分岐は case で書きます。以下に Maybe a に対する例を書きます。 case mx of Just x -> ... Nothing -> ... 念のため、Maybe a の定義も見てみましょう。 data Maybe a = Nothing | Just a 列挙されているデータ構成子を case に列挙できることが分かるでしょう。このように、case でマッチできるのは、データ構成子で表現されたパターンになります。 ワイルドカード たとえば、以下のような型を定義したとします。 data Foo = A | B | C

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  • Hash-flooding DoS と SipHash - あどけない話

    以前、僕が実装している web サーバ Mighty が、Haskell で書いているにも関わらず、セグメンテーションフォールトを起こしていた。調べたところ hashable ライブラリがリンクする C の DJBX33X が、SipHash に変わったことが原因だった。このときから SipHash が気になっていたし、以前社内で説明した "Efficient Denial of Service Attacks" との関係も知りたかったので、少し調べてみた。この記事は、その覚え書き。 Hash-flooding DoS の歴史 1998 年に Alexander Peslyak 氏が Phrack Magazine で、Hash-flooding DoS を受けたことを報告している。ハッシュは、N 個の要素を挿入するのに通常 O(N) かかるが、ハッシュ値がすべて衝突する最悪の場合では O

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  • Haskell Relational Record をリリースしました - あどけない話

    Haskell Relational Record (HRR)尻叩き担当の山です。この記事では、HRR のリリースについて説明します。 なお、これは Haskell Advent Calendar 2014 の25日目の記事です。 HRR とは何か? HRRは、日比野さんが中心となって開発が進められている関係代数ライブラリです。Haskellで式を書くと、それがSQL文に変換され、データベースに問い合わせた結果が Haskell のレコードになります。以下のような特長があります。 抽象的:高レベルな式で表現すると、SQLが生成されます。対応している SQLサーバは、DB2、ProsgreSQLSQLiteMySQLMicroSoft SQL Server および OracleSQL です。 型安全:HRRの式を書いたHaskellのコードがコンパイルできれば、必ず正しいSQL文が生

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  • Haskellライブラリ入門 (2011年版) - あどけない話

    この記事では、基ライブラリである Prelude の関数をだいたい理解した人が、次に知るべきライブラリを紹介します。自由自在にリストを使いこなせ、正規表現がなくてもプログラミングができるんだなと実感した人を対象にしています。 この記事のテーマは、脱リストです。リストはとても柔軟ですが、リストで表現されている文字列は、メモリーをたくさん消費しますし、なにより遅いのです。実用的なプログラムを書くためには、必要に応じて適切なデータ構造を使う必要があります。 containers containersは、文字通りコンテナ型をいくつか集めたパッケージです。ハッシュの代替品やキューとして使えます。連想リストを使っているところは、すべて Data.Map などで置き換えることをお勧めします。 containers に入っているモジュールはすべて眺めましょう。そして、実装も読んでみましょう。(プログラミ

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  • Mac に ThreadScope をインストールする方法 - あどけない話

    ThreadScope は、GHC が生成する event log を可視化ツールです。以前、試行錯誤して Mac にインストールしたときのメモが出て来ました。並列並行が出版された今、需要が高いような気もするので、公開しておきます。 Parallel and Concurrent Programming in Haskell: Techniques for Multicore and Multithreaded Programming (English Edition) 作者: Simon Marlow出版社/メーカー: O'Reilly Media発売日: 2013/07/12メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る 僕の環境は、Mountain Lion + Haskell Platform 2013.2.0.0 (32bit)です。以前インストールしたときは

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  • Haskell ポインタープログラミング - あどけない話

    早いもので、今年も12月25日となりました。メリークリスマス! うちのちびっ子怪獣たちも、サンタさんに書いた手紙通り、レゴをもらってご満悦のようです。 そして今日は、Haskell Advent Calendar 2013 の最終日でもあります。 Haskellらしい? 「純粋なコードで構成するのが Haskell らしいプログラムであり、IOはHaskellらしくない」という発言をよく耳にします。 確かに、命令プログラミングの世界から関数プログラミングの世界にやってきたとしたら、 不変データを使った永続データプログラミング 部品プログラミング 純粋なコードに対する性質テスト などには、衝撃を受けることでしょう。 でも、純粋なコードは、Haskell の世界の半分でしかありません。そこは、コンパイラーという保護者に守られた未成年の世界です。Simon Peyton Jones さんの言葉を

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  • 複数のGHCを共存させる - あどけない話

    GHC 7.8.1 がリリースされ、type family がうまく扱えない問題が発覚したため、すぐに GHC 7.8.2 がリリースされました。このおかげで Yesod が、うまくビルドできるようになりました。しばらくして、GHC 7.8.3 もリリースされる気配があります。また、一ヶ月を目処に Haskell Platform 2014.2 が出るようです。 こうなると、GHC をうまく共存させてくれる Haskell Platform 2014.2 のリリースを待とうかと思うかもしれませんが、そんな必要はありません。GHC 自体に複数のバージョンと共存できる仕組みがあるからです。 GHC 7.8.2 を試したい人は、気軽にインストールしましょう。GHC 7.8.3 や Haskell Platform 2014.2 がリリースされたら、GHC 7.8.2 は消せばいいのです。ここでは

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  • Real World Haskell の古いところ - あどけない話

    Real World Haskell の内容が古くなってきたので、どこが古いかとか、それに変わる新しいものは何とか、まとめたいと思う。 Real World Haskell―実戦で学ぶ関数型言語プログラミング 作者: Bryan O'Sullivan,John Goerzen,Don Stewart,山下伸夫,伊東勝利,株式会社タイムインターメディア出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2009/10/26メディア: 大型購入: 8人 クリック: 245回この商品を含むブログ (76件) を見る 1章 始めましょう 今でも通用する。 2章 型と関数 今でも通用する。 3章 型を定義し、関数を単純化する 今でも通用する。 4章 関数プログラミング ghc に --make オプションはもう不要。 5章 ライブラリを書く 5.14節では、"runghc Setup build" の

    Real World Haskell の古いところ - あどけない話
  • 状態モナド遊び - あどけない話

    状態をモナドで実現する方法を考えます。 リスト 例は簡単な方がいいので、データ構造として Lisp 風のリストを定義しましょう。 data List a = Nil | Cons a (List a) deriving Show リストは、こんな風に表せます。 Cons "c" (Cons "b" (Cons "a" Nil)) Lisp 風の cons も定義してみましょう。 cons :: a -> List a -> List a cons x xs = Cons x xs cons "c" $ cons "b" $ cons "a" Nil → Cons "c" (Cons "b" (Cons "a" Nil)) 状態を持つリスト さて、この Lisp 風のリストに、要素の数を覚えさせておきたいとしましょう。もちろん、数えれば分りますが、数えなくても一瞬で分るようにしたいのです。

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  • ByteString あれこれ - あどけない話

    Haskell で高速なプログラムを書くには ByteString の深い知識が必要となる。鍵となるのは、Data.ByteString.Internal というモジュールである。このモジュールは公開されているが、ドキュメントは隠されているので、詳しく知るためにはソースを読まないといけない。 定義 ByteString の定義は以下の通り。 data ByteString = PS {-# UNPACK #-} !(ForeignPtr Word8) -- payload {-# UNPACK #-} !Int -- offset {-# UNPACK #-} !Int -- length なぜ構成子が BS ではなく、PS なのだろう? (追記:元々 PackedString という型名だったからと @ma0e さんに教えて頂きました。) ForeignPtr Word8 は、いわゆるバ

    ByteString あれこれ - あどけない話
  • cabalコマンドの使い方 - あどけない話

    Cabal は Haskell のパッケージ管理システムです。枠組みとしての Cabal と、コマンドの cabal があり、間違いやすいです。 Cabal は、パッケージをコンパイルし、インストールする枠組みです configure, make, make install に相当 cabal は、パッケージの依存関係を調べ、必要なパッケージをダウンロードして、インストールするためのコマンドです cabal-install と呼ばれることもあります ここでは、コマンド cabal の使い方を説明します。 インストール 各 OS のパッケージ管理システムを使って cabal をインストールしましょう。GHC を扱っているパッケージ管理システムであれば、cabal にも対応しているはずです。 MacPorts では、以下のようにします。 % sudo port install hs-cabal

    cabalコマンドの使い方 - あどけない話
  • HaskellとgetOpt - あどけない話

    最近では、何かプログラムを書くときは、Haskell を使うようにしています。Haskell でスクリプトを書くと困ることの一つに、コマンドライン・オプションの処理があります。 IOモナド地獄 System モジュールで定義されている getArgs は IO [String] を返します。そこで、型が IO () である main などから以下のように使うことになります。 -- "-c" オプションを調べる import System main = do argv <- getArgs let cflag = "-c" `elem` argv -- ここに何か書く この方法には2つ問題があります。 main で getArgs を使うと、コマンドライン・オプションの処理結果(cflag など)を下位の関数にずっと渡していかないといけない コマンドライン・オプションの処理結果が必要な関数で

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  • GHC の STG に関するまとめ - あどけない話

    理解が深まれば、適宜更新します。 G-machine グラフ簡約のためのスタックマシン 関数適用が連なる spine (背骨)を持ち、愚直にカリー化を実現する 簡約のたびに、それぞれの項を更新 ローカル関数はラムダリフティングしてグローバル関数に直す必要がある ラムダリフティングされた関数はスーパーコンビネータと呼ばれる Gコード push/enter 方式 Spineless G-machine Spineless: 引数が充足している関数は、一気に呼び出す このころまでに標準の G-machine も spineless だったらしい サンクは共有されているときだけ更新 (これが重要) G コードに対して 5 つの新しいコードを追加 push/enter 方式 Spineless Tagless G-machine Tagless: 統一された書式になって、先頭の tag がなくなった

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  • Applicativeのススメ - あどけない話

    この記事の目的は、Applicative 信者による Applicative スタイルの布教です。 簡潔に結論を述べると、 foo = do a <- m1 b <- m2 return (f a b) のようなコードを書きたくなったら foo = f <$> m1 <*> m2 と書きましょうということ。 合い言葉は、「do と return をなくせ!」です。 FunctorとMonadの間 Functor を特殊化した型クラスがMonadで、Monadの方が強力です。なぜなら、メソッドが増えるからです。 Functorのメソッドはfmapです。fmapの別名を (<$>) といいます。(この記事では、(<$>) と liftM を同一視します。) そして、Monadのメソッドは、ご存知の通り (>>=) と return です。 FunctorとMonadの間にApplicative

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