前回はFlesch Reading Ease、Flesch-Kincaid Grade Levelという、英語圏では有名な指標について述べました。これらは「読みさすさの評価指標」として、文章が持つ言葉の意味やレイアウトは捨てて、文章が持つ表面的な情報(言葉や構文の長さ)を用いた指標でした。 今回は以下の論文を参考に、読みさすさ評価指標・日本語版について考えてみようと思います。 建石由佳, 小野芳彦, 山田尚勇: "日本文の読みやすさの評価式", 情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション, 1988-HI-018, 1-8(1988-05-09). この論文は日本語文章の読みやすさの評価式を検討したもので、読みやすさの要因を以下の4つとしています。 文の平均の長さ(文字数) 各文字種(英字、ひらがな、漢字、カタカナ)の連(同一文字種の文字の一続き)の相対頻度 文字種ごとの連