安倍首相の3つの戦略 いよいよ成立しようとしている安保法制。2012年12月の第二次政権の発足から2年9ヶ月、安倍晋三首相にとっては大きな山場だ。 振り返ってみると、安保法制がここにいたるまでの過程には、見落とすことのできない安倍首相の戦略が3つあった。それらが上手くいったからこそ、安保法制は成立しようとしている。 一方、こうした安保法制に国民の多くが反対していることは、世論調査などからも明らかだ(※1)。毎日のように繰り返されている国会前のデモも、そうした民意の表れのひとつである。 かように政治と民意が激しく乖離している状況において必要とされるのは、現在までのプロセスをいま一度整理し、検証することだろう。なぜなら、安保法制は忘却されても構わないお祭り(非日常)などではなく、日本の政治(日常)を支配し続ける前例として機能し続けるからだ。 憲法改正から解釈改憲へ 2012年年末の衆議院議員総