盆暮れの挨拶や年賀状だけの付き合いも、60を過ぎたら整理の対象だ。元教師の佐藤重一さん(68歳・仮名)が言う。 「中学校の教師をしていたので、教え子との年賀状、盆暮れの贈り物のやりとりも多かった。結婚式の仲人などを頼まれることもありました。現役のころはそれが嬉しくて、年賀状は友人への分も合わせて500枚以上書き、仲人も多いときは年間5組くらいやっていました。 でも、3年前に『これで新年の挨拶は最後になります』という賀状を出して、一切やめたんです。そして、自宅の電話をFAX専用にして、親戚や子供にだけ携帯電話の番号を教えました。それ以外の人からは、連絡が一切来ないようにしたんです。仲人も引き受けないし、教え子の同窓会にも行きません。なんて冷たい先生なんだ、と思われているでしょうね。でも、もう体力的に、すべてをこなすことはできない。中途半端にやって気がかりを増やすくらいなら、いっそ全部やめてし