28日午前、円高が一時、1ドル=88円台に進んだ。輸入野菜などは値下がりが見込まれるが、輸出にかかわる人たちは不安を募らせる。 28日朝9時。東京都葛飾区の機械製作所の社長(56)はパソコンを立ち上げて円の高騰に気づいた。「上がっちゃった……」。まさか80円台までは行かないだろうと思っていた。 ちょうど中国向けに高性能のねじを作る機械を10台、輸出する準備をしている。ドル建てで4千万円の見積もりを出し、「あとは先方の決定で成約に結びつく段階」だ。ただでさえ、先方からは値段を抑えてくれといわれている。 「1円高くなれば利幅が約40万円減る。従業員1人の人件費が飛ぶ額です」 藤井裕久財務相の円高容認の発言には憤りを感じる。「民主党は大衆受けするバラ色の話をしてきたが、長期的に見て大丈夫なのか。日本経済がめちゃくちゃにならないよう、国の財政のトップなら発言に気を付けてほしい」 一方、輸