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ブックマーク / kawa-kingfisher.cocolog-nifty.com (9)

  • 石井菊次郎の対米外交が示唆すること - カワセミの世界情勢ブログ

    小泉首相の訪米が6月に予定されている。その際、米議会での演説を検討してみてはどうかという米識者からの提言があると聞く。民主主義国として中国との違いもアピールできるし、吉田首相以来45年ぶりということで注目も集めるだろう、とのことだ。 米国での議会演説は格式があり、誰でも容認されるというわけではない以上、こういう機会は積極的に生かすべきであろう。米国人の琴線に触れるスピーチが出来れば良いのだが。 日政治家として、この種のスピーチで評判になった者は少ない。古い話になるが、過去第一次大戦時に石井菊次郎が行ったものがある。石井菊次郎は、第一次大戦への参戦に関してほぼイニシアティブを取った加藤高明と並んで、20世紀前半の日外交を支えた人物である。陸奥や小村の時代に気迫を示した日外交は、この時代に一層の成熟を示し一定の到達を示した感がある。しかし今日この両者はそれほど著名という印象は無い。歴史

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  • ハンス島の例に見る領土問題 - カワセミの世界情勢ブログ

    昨今の日韓は竹島問題で騒がしいが、この手の領土問題でモメる話は世界各地で良くある事である。比較的成熟した民主主義国でも完全に無縁とは行かず問題を抱える事がある。今回は例としてカナダとデンマーク間にあるハンス島問題を取り上げてみたい。 グリーンランドがデンマークの自治領として主権下にあるのは周知の事実である。このグリーンランドとカナダの間の狭い海峡にいくつかの小さな島があり、そのうちちょうど海峡の真ん中にあるハンス島が論争の対象となっている。この地図を見ると分かると思うがなかなか微妙な位置である。議論の発端は1973年に大陸棚に関して両国の帰属問題を決定した際に遡るが、このハンス島部分に関しては当時合意はなく政治的にも大きな問題とみなされていなかった。論争が大きくなってきたのは近年である。カナダドメインではあるが客観性はそれなりにあると思われるこのまとめサイトは参考になるだろう。その中で記述

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  • 国連安保理の実態と改革の困難さ - カワセミの世界情勢ブログ

    昨年のG4案が廃案になって以来、安保理改革の話は停滞気味である。確かに案件は山のようにあり、特に今年になってからは人権委員会などの問題を放置して常任理事国入りの交渉など出来る状況ではない。イラン問題で揉め、スーダンやチャドがあの具合では日も主張し辛いタイミングではある。 今月、興味深い事に国連次席大使の北岡伸一氏が複数の雑誌に国連関係で寄稿している。「中央公論」に安保理改革の停滞に関する話を、「論座」に安保理の実態や活動の意義を示す内容を寄せている。特に後者のほうが興味深くはあるが、いずれもこのブログなどよりよほど目を通す価値があるので推薦しておきたい。 前者の中央公論に掲載された内容は、今まで多くの識者が述べてきたことをまとめたものだ。もっとも内容の整理のされ方は大半のものより洗練されている。特に米国、中国アフリカに課題があったとしている。ただ、ここで北岡氏はG4案が通る可能性はかな

    国連安保理の実態と改革の困難さ - カワセミの世界情勢ブログ
    nicht-sein
    nicht-sein 2006/04/17
    "外交は何もしないことではなく何かをする事で評価される"
  • 日米新租税条約に見るビジネスと政治 - カワセミの世界情勢ブログ

    日米間FTAは検討を始めても良い課題だと思う。どっちにしろ時間がかかる話であるし、問題点を詰めるだけでも大変な手間だからだ。ただ農業部門が伝統的に問題になるので大変、などと思って調べていたら、日米租税条約が近年改定されているのに気がついた。何てことだ、こんな重要なことを今まで気付かなかったとは迂闊。 内容は財務省発表の文章、及びそこからのリンクで確認できる。元々租税条約は、二重課税の防止によるビジネスの円滑化などを目的としているもので、日や米国など、世界の多くの経済先進国はこの種の条約をそれぞれ各国と結んでいる。今回のミソは、配当所得の軽減もさりながら、利子所得の源泉国免税が大きい。そして上記リンクページでさらっと1行だけで書かれている「使用料」の免除が大きなトピックかなと思っている。要は特許や著作権に関する内容だ。文十二条に記載がある。 この条約のインパクトはかなり大きい。日国内で

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  • 東京財団の安全保障研究報告書に関する感想(下) - カワセミの世界情勢ブログ

    最後に5章以下の地域情勢・日の取り得る方策について記述した部分に触れてみたい。これらの部分は客観的で要点が綺麗にまとめられている印象があり、内容も大半は極めて妥当なものと感じる。私がどうこう言う余地も無いものであるが、軽く感想などを述べてみたい。 ・ロシアの政策 他の国に関しては、政治の論理、客観条件などからある程度力学的に政策を決定せざるを得ない。しかしロシアは、歴史的に見ても指導者層の判断や選択が比較的大きなウェイトを占めつつ路線が決定されている。(肝心な時に間違っている気もするが)プーチン大統領自身の能力は高いのかもしれないが、やや場当たり的で徹底さを欠く印象がある。その意味ではむしろプーチン後の路線がかなり重要だろう。G8追放の検討はマケイン氏あたりが中心となっているようだが、ライス長官の言うように(少なくとも現時点では)誤りだろう。日も様々にアプローチをかけているが、現在の小

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    nicht-sein
    nicht-sein 2006/03/26
    "例えばニューカレドニアを領しているのを大義名分にフランスをアジア太平洋の国際会議の席に付けて普段から言質を取っておく、の類か。"なるほど。そういう手段もあるとは想像もできなかったなぁ。
  • スーダン情勢に関する観察(2)及び関連の雑記など - カワセミの世界情勢ブログ

    ダルフール危機によるチャドへの難民流入は以前から問題になっていた。最近はスーダン民兵組織のジャンジャウィードが一部越境して、両国間にまたがる問題となりつつあるようだ。極東ブログさんの方で関連エントリを挙げておられるのでそちらも参照されたい。なおBBCの報道するところによると、チャド政府は公式に非難しているようだ。(参照) いつもの事だが、馴染みの薄い国なので外務省サイトからチャドの基データをリンクしておく。(参照2)昨年の外相来日時のものも面白い。(参照3)世界の最貧国であることは間違いないし、動乱の歴史が続いたが、この10数年くらいは現実主義的な外交で実績を挙げているようだ。もちろん判断基準を上げ過ぎてはいけないが。そして目を引くのは、この国は台湾と国交を結んでいることだ。もちろんそれだけが混乱の原因ではないだろうが、中国から一定の働きかけはあったと思ってよいだろう。 またその種の議論

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  • 梅田氏の「ウェブ進化論」を読んで色々と考えた - カワセミの世界情勢ブログ

    珍しく休暇を取って旅行に行っていた。暇なホテルでの夜に最近話題の梅田氏の著作「ウェブ進化論」を読んだ。私は元々ネットにどっぷりという人間ではないのでこの種の一般人向けのとしての丁寧な著作は有難い。久々の更新の割にはただ暇潰しエントリになってしまうがつらつらと思ったことを書いてみたい。そういうわけで書評と言うわけでもない。主に読んだ人に対するメッセージだと思ってもらいたい。 この梅田氏の著作については、インターネットバブル崩壊後の第二世代のネット技術の進化の要点を鋭く押さえているという点をまず評価しなければならない。そして語られて無い点が重要だという言い方で、R30氏が2回のエントリ(上・下)においてある質的な部分を的確に喝破している。しかしながら、私の抱いた最初の見解としては、むしろ古典的アプローチの先鋭化がネットによってなされているというものであった。純技術的に言えば、このIT革命の

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  • 欧州とイスラム世界のムハンマド風刺画騒動 - カワセミの世界情勢ブログ

    末尾に記述を追加しました。('06.2.4) デンマークに端を発するムハンマドの風刺画問題だが、欧州全域に飛び火する状況で蜂の巣をつついたような大騒ぎだ。またパレスチナ選挙やイランでもめている最中にタイミングの悪い事だ。とりあえずメモ代わりのエントリ程度。 ちなみに発端となったのはこれらしい。概要はワシントンポストの記事がまとまっているので引用する。(参照)このコラムも参考になるだろう。(参照2)実のところ、欧州の反応はキリスト教やユダヤ教におけるタブーとも重なり、イスラム地域の世論に関しては理解しているし、一般論としては融和的なのだろう。同じくワシントンポストのこのコラムで示されていた内容はなかなか示唆的だ。(参照3)一部引用する。 The complication in the cartoon controversy, says Islam Online, "stems from th

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    nicht-sein
    nicht-sein 2006/02/06
    "欧州の新聞で「ムハンマドよ、怒るな。ここでは我々は皆風刺される」というような発言をしているキリストの漫画が掲載されていた"
  • 憲法改正における自衛権の議論 - カワセミの世界情勢ブログ

    自民党の新憲法草案が海外でも注目を浴びつつあるようだ。この風景はある種明治維新のそれに似ているのかもしれない。世界がその重要さに気付くのに一定の時間を要するという意味で。例外は関わりの深い米国くらいだろうか。 第九条の第一項をそのまま残したのは無難な選択だ。多くの民主主義国とさして変わるわけでもない。防衛のみを謳う建前はいずこも同じであるからだ。また自国単独での話となればそれで構わない。予防戦争などの積極的行動の場合は、いずれにせよ集団安全保障の問題の議論となり、一国の憲法が扱う範囲を超えるからだ。 米国の視線はとなると、遠慮も何も無くこんな事を言うワシントンポストの言い分(参照)は音に近いのだろう。真っ先に連想するのが台湾問題というのは現実とも合っている。 The most likely beneficiary would be Japan's closest ally, the Un

    憲法改正における自衛権の議論 - カワセミの世界情勢ブログ
    nicht-sein
    nicht-sein 2005/12/01
    "議論すべきは九条ではなく、その理念を達成する方法だ"
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