大勢の観光客で埋まる万里の長城 【北京=坂尻顕吾】「万里の長城の総延長は8851.8キロに上る」。世界文化遺産にも登録され現存する部分が多い明代(1368〜1644年)の万里の長城について中国政府は建国以来初めて大規模な測量結果を公表した。 調査は「万里の長城保護プロジェクト」の一環として国家文物局と国家測量局が07年5月から08年末まで実施。その結果、れんがなどで造った「人工壁」は全体の約7割に当たる6259.6キロで、残りはがけなど天然の地形を利用しており、総延長は8851.8キロと確定した。東端の遼寧省から西端の甘粛省まで10の省や直轄市、自治区にまたがっていた。 現存する長城をつなぎ合わせれば1万2700里(6350キロ)となることから「万里の長城」の名が付いたとされるが、今回の測量は天然壁の部分も含めたことから、2千キロ以上も延びたようだ。 ただ、自然災害のほか道路や