「素直に嬉しいです」 オリックスが史上初となるシーズン最終日の逆転優勝を果たした10月2日、勝利投手となった宇田川優希は、少し声をうわずらせて喜びを表した。4回無死一、二塁のピンチでマウンドに上がって無失点で踏ん張り、味方の反撃を呼び込んだ。 「絶対ゼロで抑えるという気持ちで上がりました。力んで、大きくコースを外れた球が何球かありましたけど、その度に冷静になって、修正できたのでよかったかなと思います」 紆余曲折の末にプロ入りを決断した2年前の自分に、今、感謝している。 「できれば支配下で指名したかった」 2年前、仙台大学4年だった宇田川はプロ入りを志望していたが、仙台大の森本吉謙監督と話し合った結果、育成契約の場合は入団しないという意向をNPB球団の調査書に記した。育成での指名だった場合は社会人野球に進むつもりだった。 だがドラフト会議当日、オリックスは育成ドラフト3位で宇田川を指名。スカ