読書今年読んだ本の中では、翻訳本を除いて、もっとも面白い1冊でした。 本書で面白いと感じた点の一つ目は、あいまいにされがちな「イノベーション」という概念が、ロジカルに説明されているところです。ジョブズの真似をすればイノベーションが起こるような議論が多い中で、本書では「イノベーションを再現可能なものにするにはどうしたらいいのか?」について、丁寧に分析されています。 2つ目は、経済学と経営学がシームレスにつながっている点です。分かりづらいかもしれませんが、実は経済学と経営学の間には、大きな溝があると思います。経済のことを論じる専門家が経営について論じることは少なく、逆も然りです。しかも、多くの専門家はそれぞれ自分の得意な分野へ細分化しつつあります。本書では、経済と経営を含めた大きな範囲の中から、イノベーションに通じる部分が凝縮されて述べられています。 3つ目は、最近のビジネス書などで話題になっ