“わんぱく少年”ならではの体力と知力が「奇跡の生還」に結びついた――。北海道七飯町の山中で“しつけ”のため置き去りにされ行方不明になっていた小学2年生の田野岡大和くん(7)が、3日午前に無事保護されたことは本紙昨報通り。置き去り現場から北東に直線距離で5~6キロ離れた地点にある鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場の廠舎(しょうしゃ)に大和くんはいた。驚異の生命力に称賛が上がる一方で、子供に簡単に“突破”された自衛隊施設に不安の声も出ている。舞台裏に迫った。 行方不明になった先月28日夜のうちに、大和くんは上り坂を歩いて自衛隊の廠舎にたどり着いた。直線では5~6キロだが、道なりでは約10キロにもおよぶ。廠舎は築30年以上のトタン屋根のかまぼこ形建物で、普段は訓練隊の寝泊まりや作戦会議に使われるという。 廠舎に2つあるドアの片方は施錠されていなかった。中は広く、隊員らが就寝に使うマットが四隅に積み上