開発途上国にボランティアを派遣する国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊への応募者数が減少している。昨年秋の募集では一九六五年の創設以来、初めて応募者数が各国からの要請数を下回った。景気低迷や予算削減の影響が理由に挙がるが、若者の内向き志向の表れと指摘する声も。国際社会で高い評価を受けてきた日本の海外貢献の歴史に黄色信号が点滅している。 (吉岡逸夫) 青年海外協力隊は過去四十八年間で、八十八カ国に三万七千人を超える若者を派遣してきた。募集は春と秋の年二回で、十年前には各途上国からJICAへの要請数の四倍から五倍に当たる約五千人が応募。合格者数に対する倍率は十倍近くに上った。それが、最近の応募者数は千五百人前後と三分の一以下にまで減っている。 二〇一一年春募集では千三百五十一人に激減。これは東日本大震災の影響で、ボランティアが青年海外協力隊よりも東北へ向かったと推定される。しかし、昨年秋募