われわれの身の回りにはもともと宇宙線や大地、建物、食品などに由来する放射線があり、この値が異常であるかどうかは自然状態の放射線量と比較して初めて知ることができる。このような自然放射線量は場所によって大きく異なっており、これを知るには実際にその場所に行って線量計で測定しなければならないが、これを大地のウランとトリウムとカリウムの濃度から計算によって求める方法がある。計算で求める方法は元素データが手元にあれば手軽に行うことができ、現地に行ってわざわざ測定する必要がないので、時間・手間・費用を省くのに大いに役立つ。また逆に、今現在、高線量の値が出ている地域でも、自然状態での放射線量を求めるのに役立つと考えられる。自然放射線量を計算で求めるには、大地に含まれるウランとトリウムとカリウム(放射性K-40)の濃度を用いるが、すでに公表されている元素の濃度分布図である地球化学図のデータを用いることができ