サーチュイン遺伝子(Sirtuin)とは、老化や寿命の制御に重要な役割を果たすとされる遺伝子で、「長寿遺伝子」とも呼ばれている。細菌から哺乳類まで、多くの生き物に備わっている。サーチュインの発現量を増やすことで老化制御につながる効果を得られたとする動物実験が多数報告されており、人を対象とした臨床試験も進められている。 サーチュイン遺伝子の研究が確立されるきっかけとなったのは、2000年、米マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授と当時同ラボのポスドク(博士研究員)であった現ワシントン大学医学部発生生物学部の今井眞一郎教授によるある研究の発表だ。酵母のサーチュイン遺伝子(Sir2)に着目した2人は、この遺伝子が持つ全く新しい機能を強めると酵母の寿命が延び、欠損すると短くなることを突き止め、その成果を科学誌『ネイチャー』が掲載、注目を集めた。 世界を驚かせたのは、たった1つの遺伝子が
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