裁判所の令状なく捜査対象者の車などにGPS(全地球測位システム)端末を取り付ける捜査が違法かが争われた刑事裁判で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は22日、検察、弁護側双方の意見を聞く弁論を開いた。監視社会につながりかねないと弁護側。検察側は捜査で有用だと訴えた。 「僕のような人間に言う資格はないのかもしれないけど……」。車を使った広域窃盗事件で逮捕・起訴された岩切勝志被告(45)は2013年12月、初めて接見した亀石倫子(みちこ)弁護士にこう切り出し、車にGPS端末が付けられていたことを告げた。「警察はこんなことまでできるんでしょうか」 2カ月ほど前。共犯者からの忠告で、自分の車体の下をのぞいた。真ん中付近に垂れ下がる透明なテープ。GPS端末に8個ほどの丸い磁石が付けられ、テープで巻かれていた。友人の車に付け替え、数時間後に戻ると端末は外されていた。一部始終を警察に見られていると思っ