知らないのは日本人だけ?―なぜトヨタは世界で売れ続けるのか。 それは「トヨタ生産方式」が利益を生み出しているのではなく、秘密は「主査制度」にあった。アメリカ企業が徹底研究して、次々とイノベーションを起こす源流は日本にあったのだ! 「ダメじゃないですか」 リストラについての相談を受けているとき、酒井崇男は思わずそう口にした。人事・組織関係のコンサルティング「グローバル・ピープル・ソリューションズ」の代表取締役を務める彼は、リーマンショック前後からリストラの相談を受けることが増えた。大半はメーカーなどの研究職。一流企業の有能な技術系エリートばかりだ。ところが、面談中、酒井が研究について聞くと、しばしばこんな答えが返ってくるのだ。「研究の用途? それはわかりませんよ」―信じがたいことに、彼らには売れるものをつくるという目的がスッポリと抜け落ちているのだ。 自身も東大大学院で工学系を修了し、大手企