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ブックマーク / agora-web.jp (9)

  • 経常収支の赤字はなぜ急増したのか

    今週初めに発表された史上最大の経常赤字と成長率の下方修正は、「アベノミクス」の終わりを象徴する出来事だった。黒田総裁は「新興国経済がもたついている」と苦しい説明をしているが、円安で輸出が減少したという現象は、円安誘導で景気を回復させる彼の方針が裏目に出たことを示している。 これは短期的には消費税増税の前の駆け込み需要で輸入が増えたとか、原発停止でLNGの輸入が増えたという要因もあるが、JBpressにも書いたように、製造業の海外シフトの影響が大きい。これは構造的要因だが、その影響が円安で強まったのはなぜだろうか? その謎をとく手がかりになる記事を紹介しよう。右の図は日米中の国際収支を付加価値統計で見たものだ。輸出総額ベースでは日の輸出先トップは中国(24%)で2位が米国(22%)だが、付加価値ベースでは、中国は15%で米国は19%と逆転する。二国間では、対米黒字は付加価値では総額より6割

    経常収支の赤字はなぜ急増したのか
  • 日本の会社はすべて「ブラック企業」である

    島田裕巳さんの書評を読んで、私も同じような疑問を感じたのでちょっとコメント。 書は私に贈ってきたが、内容が下らないので無視した。ここで「ブラック企業」として著者が指弾しているような実態は、日の会社にはどこでもあるからだ。自慢じゃないが、私も「NC9」のスタッフだったころは、毎月100時間以上の残業はざらだったが、時間外は50時間しか認められなかったので、半分はサービス残業だった。NHKブラック企業なのだ。 それでも日のサラリーマンが辛抱するのは、年功序列でノンワーキング・リッチになって元をとれるという夢があるからだ。こういうインセンティブ構造は、経済学ではよくわかっており、拙著でも日的雇用慣行について次のように書いた。 所有権アプローチの想定する近代の企業は奴隷制の禁止という制約のもとで個人間の契約によって指揮命令系統を作り出す制度であり,この個人の独立性にともなう交渉問題が非効

    日本の会社はすべて「ブラック企業」である
  • 「政策の不確実性」こそが景気回復の障害

    池田さんが、「増税で景気はよくなる」という記事を書いている。私も、基的には同じ意見で、「政策の不確実性(policy uncertainty)」がいまや景気回復の最大の阻害要因になっているとみている。それゆえ、「政策の不確実性」の除去に努めることが、最大の景気対策だと考えている。 それで、昨秋(10/17/2011)に日経の経済教室に寄稿する機会があったときには、次のように書いた。 政府にできるのは、民間部門の将来の見通しを曇らせるような余計な不安要因を排除することだ。将来が不確かであるほど、自信の回復は妨げられる。この意味では、景気に悪影響を与えるからといって増税を先送りすることは、むしろ景気回復を遅らせかねない。 確かな財政再建の計画もなしに増税を先送りするだけでは、将来の不確かさを増大させる。いつ実際に増税が実施されるのか、その前に財政面の不安定性が顕在化しないかといった不安要因を

    「政策の不確実性」こそが景気回復の障害
  • 大学というバブル

    井上さんの記事を少し補足しておきます。「教育に外部効果がある」というのは古い話で、前にも紹介したハーバード大学のPritchettなどの行なった世界銀行の調査では、教育にはマイナスの外部効果があるという結果が出ています。図のように各国を比較すると、教育投資(縦軸)と成長率(横軸)にはまったく相関がありません。教育(特に大学教育)は生産人口を浪費して、成長率を下げている可能性があるのです。 教育が成長率に貢献しないということは、社会的には浪費であることを意味します。読み書きなどの基礎的な教育は重要ですが、労働生産性に貢献するのは中学ぐらいまでの教育で、大学教育は無意味(あるいは社会的にはマイナス)だというのが、多くの経済学の実証研究の結果です。 これは教育投資が無駄だということではありません。それどころか教育投資の私的な収益率は高いのです。日でも大卒の生涯賃金は約2億8000万円で、高卒よ

    大学というバブル
    niomo9
    niomo9 2011/02/15
    教育を受ける個人に十分な経済的リターンがあるならば、そのコストは個人が負担するのが筋ということか。社会に経済的リターンがないならば社会が負担する理由はさらになくなる。
  • Tell us what you want - 書評に代えて - リーダーになってもデキる人33のルール

    @dankogai 弾さん、日のプログラマはいまだに土方仕事です。日のプログラマのレベルを上げるための処方箋はありますか?less than a minute ago via Twittelator上村敏彦 Toshi_Kamimura への返答をここに書くことにする。 書「即刻〈リセット〉したい5つのこと-リーダーになってもデキる人33のルール」は、まだ「リーダー」になりきれていない著者による「リーダー」論、あるいは自戒。 目次 プロローグ 優秀なプレイヤーだったあなたへ Chapter1  成功体験がアダとなる!? 【すべてはこの「リセット」から始まります】 Chapter2 メンバーの強みに着目するのが出発点 【「メンバーの見方」をリセット】 Chapter3 指示待ちメンバーがゾロゾロ出たら? 【「判断しすぎ」をリセット】 Chapter4 仕事を渡せない、だからメンバーが動

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  • 福祉国家と言う危険な幻想 - 藤沢数希

    福祉を増やすことに対して多くの人が肯定的だ。そして大抵の人にとって競争と言うのはつらいものだ。よって国家と言うものには常に福祉を肥大化させようとするバイアスがあり、またそうした国家で既得権を握った者たちは常に新規参入者を排除し競争をなくそうとする。こうした人達は社会の問題の多く―例えば貧困や凶悪犯罪など―を福祉が十分でないこと、また「行き過ぎた」競争に結びつけようとする。しかし筆者は福祉国家と言うのは非常に危険な幻想、あるいは妄想だと思っている。行き過ぎた福祉国家と言うのは必ず滅びるものだ。今日はそのことを示唆するためにいくつかの簡単な実験をしようと思う。実験と言ってもフラスコの中で化学反応を起こしたり、コンピュータで複雑な数値実験をするわけではない。簡単な思考実験。つまりいくつかのシチュエーションを思い描き、その結果どうなるか想像してみようと言うことだ。 その1 みんな平等の会社と実力主

    niomo9
    niomo9 2010/08/05
    成果主義もうまくやるのは難しいと思うので意外と年功序列の方が長生きするかも/メスをめぐる競争がなくても環境による淘汰はそれなりにあると思うんだけどどうなんだろう/A国に貧乏人が殺到して財政破綻。
  • 貸金業法の「総量規制」で悪徳弁護士は2度もうける - 池田信夫

    消費者金融大手の3月期決算によれば、図のように貸出残高は貸金業法の改正前に比べて20%以上減り、6月から始まる総量規制(借入総額を年収の1/3以下に制限する)によって貸出は半減し、10兆円を割るという予想もあります(日経新聞)。総量規制の対象になるのは債務者の半数にのぼるとみられ、大混乱が予想されます。 さらに「過払い金訴訟」による払い戻しは、昨年も大手4社の合計で3700億円にのぼり、中小の消費者金融は廃業が相次いでいます。盛岡市の元貸金業者が「行政当局は灰色金利の受け取りを容認していたにもかかわらず、06年の最高裁判決で支払いの任意性が否定されたあと、過去の金利に遡及して返還することを認めたのは違法だ」として国家賠償請求訴訟を起こしました。 実際には最高裁判決も無条件でグレーゾーン金利の返還を認めているわけではないのに、その後の過払い訴訟では合意の上で払った金利もすべて返還が求められ、

    貸金業法の「総量規制」で悪徳弁護士は2度もうける - 池田信夫
  • ソフトバンクは「坂本龍馬」ではない - 池田信夫

    いろいろな噂や憶測の乱れ飛んだiPadSIMロック問題ですが、結局、日では3GモデルはソフトバンクのSIMロックつきだけが発売され、アップルからはWi-Fiモデルだけが発売されることになったようです。日だけが「全世界でSIMロックなしで発売する」というアップルの方針の例外になったわけです。 これ自体はアップルのビジネス上の判断だから、どうこういう筋合いはない。おそらくソフトバンクがかなり大量の販売コミットメントをしたのでしょう。SIMロックを製品が出るまで知らなかったらしいNTTドコモも、おそまつです。しかし最大の被害者は、ユーザーです。松徹三さんは「アゴラ」でこう主張しています: 今回のSIMロック議論のベースは、「海外での高いローミングコストを回避したい」という人と、「ドコモのネットワークでiPhoneを使いたい」という人の不満が出発点になっているということです。こういう人達は

    ソフトバンクは「坂本龍馬」ではない - 池田信夫
    niomo9
    niomo9 2010/05/12
  • 凋落した日本の一人当たりのGDPと地方分権 ― 藤沢数希

    は少なくとも経済的には世界で最も豊かな国のうちの一つだった。一人当たりのGDP、つまり国民の平均所得は常に世界のトップクラスであった。しかし、それも昔の話のようである。失われた20年の間に一人当たりのGDPは毎年順位を落とし、現在では先進国の中で下の方になってしまっている。満員電車の通勤やうさぎ小屋と揶揄される住環境は世界から馬鹿にされ、GDPのような数値には現れない生活の豊かさは、他の諸外国に比べて劣るといわれてきた日だが、今やそのGDPさえも先進国の中では下の方になってしまったのである。名実ともに日は貧しくなったのだ。 下の図は購買力平価で見たドル建ての一人当たりのGDPである。人口が100万人以下の都市国家(ルクセンブルクやマカオなど)は除外してある。 出所:World Bankのウェブ・サイトより筆者作成 スイスやノルウェイなどは一人当たりGDPランキングでは常に最上位にく

    凋落した日本の一人当たりのGDPと地方分権 ― 藤沢数希
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