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ブックマーク / hiroyukikojima.hatenablog.com (9)

  • メルセンヌ素数とリュカ=レーマー判定法と、そしてペル方程式と - hiroyukikojima’s blog

    「最大の素数が更新された」という報道が今年の1月24日の朝日新聞朝刊でなされたことは、当ブログでも、また、最大の素数が更新された! - hiroyukikojimaの日記でエントリーした。これは2233万ケタという巨大な素数で、アメリカのセントラルミズーリ大学のカーチス・クーパー教授が、世界中のコンピューター約800台のボランティアを利用して発見したものだ。 発見された素数は、メルセンヌ素数というタイプの素数である。メルセンヌ素数とは、(2のk乗−1)という計算で表される素数。kが素数でないなら、(2のk乗−1)が素数にならないことは簡単にわかるので、kとしては素数だけ試せばよい。今回のものは、(2の74,207,281乗−1)となっており、49番目のメルセンス素数で、当然、74,207,281は素数である。メルセンス素数が発見されることは、偶数の完全数(6=1+2+3のように、自分自身を

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  • ステキな4平方数定理 - hiroyukikojima’s blog

    ぼくが、数学に目覚めた大きな原因の一つは、「2平方数定理」と「4平方数定理」を中1〜中2の頃にで読んだことにあった。 平方数というのは、「2乗の数」のことで、1×1=1、2×2=4、3×3=9、4×4=16、・・・という具合の分布している。 「2平方数定理」というのは、「4で割ると1余る素数は、必ず2つの平方数の和で書け、4で割ると3余る素数は絶対に2つの平方数の和では書けない」という内容の定理だ。例えば、素数13は4で割ると1余るが、確かに4+9と2平方数の和で表すことができ、素数19は4で割ると3余るが、実際、2平方数の和では表せない。この事実を発見したのは、17世紀のフェルマー(例のフェルマーの最終定理で有名)で、人は「証明できた」と述べ、アイデアを手紙に書いているが、証明自体は書き残さなかった。これをきちんと証明したのは、約100年後の18世紀の数学者オイラーだった。その後、ガ

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  • 数学を教える人が読んでおきたい論理の本 - hiroyukikojima’s blog

    ぼくは、以前から、論理とゲーム理論とをクロスオーバーさせたを書きたい、というテーマを持っており、それは拙著『数学的推論が世界を変える〜金融・ゲーム・コンピューター』NHKブックスで果たすことができた。 このを書くために、今まで、けっこうな冊数の数理論理学の教科書を読んできた。その中でめぐりあったのが、ゲンツェンの自然演繹と呼ばれる推論規則のセットであった。推論規則というのは、数学の証明で用いられる推論をできるだけ少ない数でセットにしたもので、おおわくではヒルベルトの体系、ゲンツェンのシークエント計算、ゲンツェンの自然演繹、というのがあって、それぞれの演繹能力は同じだけど、体系自体は異なるので、何をしたいかによって有利不利(向き不向き)がある。この3つの中で、普通の数学の証明で利用されている推論の方法は自然演繹が最も近いものである。 ぼくは自然演繹の体系を、鹿島亮『数理論理学』朝倉書店で

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  • お勧めの数理論理の本を2冊+新刊の予告 - hiroyukikojima’s blog

    下の方に、付記を書きました(11月24日) 来月に刊行される新書を書くためと、ゲーム理論の研究のためとで、ずっと数理論理の勉強をしてきた。このブログでも、何冊かの数理論理のを紹介してきた(例えば、ゲーデルい歩き - hiroyukikojimaの日記など)。そんな中、最近読んだものの中に、お勧めのが2冊見つかったので、今回はそれを紹介しようと思う。 一冊目は、鹿島亮『数理論理学』朝倉書店だ。 数理論理学 (現代基礎数学) 作者: 鹿島亮出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 2009/10/01メディア: 単行購入: 11人 クリック: 367回この商品を含むブログ (5件) を見るこのは、序文に「千葉大学の古森雄一先生とディスカッションして書いた」というようなことが書いてあったので、信頼できるだろうという予想の下で購入することとしたのだ。(古森先生については、ロックバンドZF

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  • 「空間」の作り方 - hiroyukikojima’s blog

    今月の後半に、数学者・黒川信重先生との共著『21世紀の新しい数学〜絶対数学、リーマン予想、そしてこれからの数学技術評論社が刊行されるので、今回は、それに関連したエントリーを書こうと思う。既に、アマゾンでは予約ができるようだから、リンクしておく。 21世紀の新しい数学 ~絶対数学、リーマン予想、そしてこれからの数学~ (知の扉) 作者: 黒川信重,小島寛之出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2013/07/23メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログ (17件) を見るこのの詳しい内容については刊行した頃に宣伝するつもりだから、ここではざっくりした説明だけに留める。このは、ぼくが黒川先生から、最新の数論についていろいろなことを聞き出す対談部がメイン、それに、ぼくの「図解で磨こう!数学センス」という図解解説が付いて、さらに、黒川先生のレクチャー「空間と環」が付いてる、と

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  • いつのまにか、ぼくの本の電子書籍が出たようです - hiroyukikojima’s blog

    ダイヤモンド社の担当編集者から、拙著『完全独習 統計学入門』ダイヤモンド社の電子書籍版が刊行された、という連絡を受けたので、せっかくだから当ブログで宣伝しておこうと思う。キンドル版へのリンクは以下。 完全独習 統計学入門 作者: 小島寛之出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2013/06/17メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る楽天だと 楽天Kobo電子書籍ストア: 漫画小説がアプリで今すぐ読める! hontoだと、 完全独習 統計学入門の電子書籍 - honto電子書籍ストア このは、今年だけで(まだ6月なのに)すでに3回も増刷がかかった。ダイヤモンド社の西内啓『統計学が最強の学問である』が爆発的に売れていて、そのおこぼれにあずかっているのだと思う。実際、『最強』書評を日経から頼まれて、「今を読み解く」というコーナーで統計学について書いた。この

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  • 双子素数予想に進展があった - hiroyukikojima’s blog

    双子素数予想に進展があったことが、新聞報道された。 ぼくのところにも、ある新聞社の記者のかたから取材があり、専門家ではないけど知っている限りのことで協力した。 双子素数というのは、差が2の素数のことである。例えば、3と5、11と13、29と31などがそうである。素数は2以外はすべて奇数であるから、双子素数は「隣りあった(2でない)素数の最小の隔たりのもの」ということができる。双子素数予想とは、「双子素数が無限組存在する」という予想であり、紀元前のギリシャ時代から予想されていたがいまだに解決をみていない。 今回の進展は、Yitang Zhangというニューハンプシャー大学の数学者によってなされた。それは、「Bounded Gaps Between Primes」と題された50ページ強の論文で、次の結果を与えている。 「隣り合った素数の隔たりが、7千万以下のものが無限組存在する(lim inf

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  • 読者に優しい数学書を書く技術 - hiroyukikojima’s blog

    ここ数日、堀川 穎二『複素関数論の要諦』日評論社を読みふけっている。そして、めちゃくちゃ感動している。数学書でこんなに興奮するのは久々のことだ。 複素関数論の要諦 作者: 堀川穎二出版社/メーカー: 日評論社発売日: 2003/03メディア: 単行購入: 34人 クリック: 1,278回この商品を含むブログ (2件) を見るこのを取り寄せたのは、複素積分を新書で解説する、という無謀な計画をぼくが抱いているからだ。その準備となる原稿を書いているのだけど、複素積分に関するコーシーの定理の証明方針に迷っていて、それでいろいろな複素関数論のをひもといてるってわけ。 書は、堀川先生が東大数学科進学の決まった2年生に行った講義を忠実に収録している。その忠実さったらすごくて、演習問題も、期末テストも、それについてのコメントも、成績の分布も、成績評価基準も、追試の点数と人数も、学生から採った

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  • 今年のマイ・イベントが全部終了した。 - hiroyukikojima’s blog

    先週の金曜(11月18日)に、横浜国立大学主催のリレー講演会「社会と数学」のぼくの担当分「数学的思考の技術」(日経書評のこと、横国での公開講座のこと - hiroyukikojimaの日記参照)が終わった。聴きにきてくださったたくさんのかたがた、ありがとうございました。 この講演では、「数学テクノロジーとして使われている例」をいくつか紹介した。たとえば、「忍者が堀の深さを知るのに水草を引っ張ってみること」とか、「3つの円の3の共通弦は必ず1点で交わる、という定理が、地震の震源地の特定に使われていること」など。これは、拙著『キュートな数学名作問題集』ちくまプリマー新書からのネタ。 それから、グーグルの検索エンジンの優先順位が、実はいわゆる「固有値問題」に帰着されるわけなんだけど、それを模した問題として「ネズミの王様選挙」を紹介した。これは、日経ビジネスアソシエのインタビューでネタとして使

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