東京証券取引所は1月11日、市場区分の見直しを念頭にすべての上場企業の新しい所属先を公表した。この市場区分見直しは、6年近い歳月をかけて準備してきたもので、今年4月4日に実施することになっている。 ところが、当初から懸念された通り、実質最上位となる「プライム市場」に現在の「東証1部」の8割強が横滑りする結果になり、上場や退場、降格を巡る基準を厳格にすることで企業の成長意欲を刺激するという狙いが十分に果たせない恐れが現実味を帯びてきた。 今回は、大きな課題が残った日本の証券市場改革について、本当に必要なことは何かを考えてみたい。 東証1部の8割が横滑りの結果に まずは、今回の再編の概要に触れておこう。 最大のポイントは、これまで「東証1部」「東証2部」「マザーズ」「JASDAQ・スタンダード」「JASDAQ・グロース」の5つに分かれていた市場区分を、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロ