日本の領海内を航行する中国の海洋調査船「海監46号」=2008年12月8日午前8時50分ごろ、沖縄県の尖閣諸島・魚釣島から西方約6キロの海上(第十一管区海上保安本部提供) 米海軍の調査船が南シナ海で中国艦船に妨害を受けた事件が国際社会に波紋を広げている。中国は新たに最大級の漁業監視船を派遣するなど、海洋権益を守る異常な強硬姿勢が背景にある。 妨害事件は海南島付近で起きたが、米側によれば調査船は3日間にわたって海軍を含む中国艦船の組織的妨害を受けた。8メートルの距離に異常接近したり、軍用機が威嚇飛行を十数回繰り返すなど危険きわまりない行為もあり、米海軍は護衛のためにイージス艦1隻を現場に急派した。 南シナ海には、周辺諸国と領有権を争う西沙諸島や南沙諸島もある。漁業監視船派遣も排他的経済水域(EEZ)の権益誇示が狙いとみられるが、強引なやり方は緊張と危険を高めるだけだ。中国は厳しく自制すべきで