プロのデザイナーとは デザイナーの仕事を一言でいうと、無から有を創り出す仕事ということになるだろう。素材、カラー、シルエットを自由に選び、組み合わせ、構築していくことによって、無限のデザインを生み出すことが可能である。 しかし、重要なことは、デザイナーはファインアーティスト(純粋な芸術家)ではなく、コマーシャルアーティスト(商業的な芸術家)であることだ。つまり、自分のために服をつくるのではなく、クライアント(得意先)に対して服をつくらなければならない。 デザイナーにとってクライアントとは多くの場合は、自分の勤めている企業である。その企業(あるいはブランド)がどんな経営哲学をもちどんな商品戦略をとろうとしているかを理解し、与えられた条件のなかでデザイン活動をするのである。 学生たちは、「売れる服をデザインするべきか?」「自分のつくりたい服をデザインすべきか?」という根源的だが幼稚な問題