私が最近 LaTeX を使って日本語文書を作るときのテンプレートについて紹介する。テンプレートとしては、横書き記事、横書き書籍、縦書き書籍のものを用意してある。あわせて、LaTeX で文書を作る環境をどうやって構築しているのか、そして、どういった命令をよく使用しているのかについて紹介する。 はじめに この記事では、LaTeX の私家版テンプレートについて紹介する。これは、私が最近 LaTeX で日本語文書を作るときに使っているものをまとめたものだ。2017年5月版ということで、なるべく現代的な手法を取り入れたつもりだ。 私家版テンプレートは、以下の3種類を用意している。 横書き記事用テンプレート(jsarticle を使用): yoko-article-template.tex 横書き書籍用テンプレート(jsbook を使用): yoko-book-template.tex 縦書き書籍用テ
(latexdiffのバージョンが古かったりで微妙だったので書き直した 2018年3月) はじめに 論文や報告書で,TeXの文章を人に添削してもらう機会は多い. それなりに長い文章を添削してもらうとき,前回の添削からどこをどう訂正したのかわからないと, 何度も読まないといけないだろうし,申し訳ない. 自分が訂正した部分をわかりやすくするために, TeX原稿に文字色変更等を記述し,コンパイルする. コンパイルしたPDFファイルを編集する. などがあると思うが,どれも手動でやらなければならないので,めんどくさい. 画期的なソリューションが必要である. 探してみるとlatexdiffというのがあり,gitから呼ぶと便利らしいので,使ってみる. latexdiff latexdiffは2つのTeXファイルの差分をTeXファイルで出力してくれるアプリケーション. サイトはこちら . 普通にapt-g
正確にいうとなかなか fontspec してくれない件。 LuaLaTeX の前に XeLaTeX の話。奥底の解説では、XeLaTeX で「Unicode する」為に必要なパッケージを一度に読み込むには xltxtra パッケージを用いるとしていた。現在でもそれ自体は変わらないが、「本当に必要なもの」に関しては、fontspec を読み込むだけで一緒に取りこまれる様になっている:例えば xunicode パッケージ、EU1 エンコーディング等である(さらに、etex や fixltx2e も該当する)。必須ではない追加機能(例えば XeTeX のロゴ等)は xltxtra 自体が提供している。従って、そういう「余分の」機能が不要であれば、xltxtra だけ読み込む代わりに fontspec だけ読み込むのでも構わない。 [sample.tex] % 文字コードは UTF-8 \docu
この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2016 の18日目の記事です。 昨日は hak7a3 さんでした。明日は wtsnjpさんです。 はじめに 先日,アドベントネタのために zref パッケージを利用しようとしたのですが,思わぬ所で沼にはまってしまいアドベントネタが生まれたので,まとめます。 検証に用いた環境 e-pTeX 3.14159265-p3.7-160201-2.6 (TeXLive 2016) zref-savepos について(前提知識) TeX文書において,ソースコードのとある部分が実行される時点での紙面上の位置を取得したい場合,zref パッケージの savepos モジュールが提供する\zsavepos{<refname>}および\zposx{<refname>},\zposy{<refname>}という制御綴を使用するのが一般的です1
1年前に卒論を書き、そのあいだに国内学会と国際学会の予稿、論文誌、科研費書類の手伝いと一通りの書きものをして、先輩や先生に論文を直していただく機会がたくさんあった。そして今年の1月、研究室をうつった先で卒論執筆のメンターとして、後輩の論文を何度も読む機会があった。そのなかで、「先輩や先生に原稿をみてもらう」という機会を最大限に活かすためにできることとして、いくつか気付いたことがあったので、1年後にいろんな原稿や修論を書いている自分のためにメモを書き残しておく。 本稿では、誰かに(書きかけの)原稿をチェックしアドバイスをもらうときのTipsに集中する。「卒業論文の書き方」および「具体的に気をつけるべき項目 (rkmt先生のブログ)」のようなものは書かないつもりだ。それぞれについてはリンク先を参照のこと。 1. 100均で安い赤ボールペンを5本買っておく 論文執筆の時期はよく赤ボールペンを使う
新型MacBook ProのTouch Barが(的な意味で)話題になっているようです。 MacのTouch Barが回転寿司に! エディターでも続々カイテン ― 窓の杜:やじうまの杜 どうやら、人々はこぞって、自分のお気に入りのガジェットの“バー”にを流し始めたようです。 Touch Barで回転寿司 (ソース) Vimで回転寿司 (ソース) Emacsで回転寿司 (解説) Visual Studioで回転寿司 Visual Studio Codeで回転寿司 PowerShellで回転寿司 (解説) three.jsで回転寿司 Onsen UIで回転寿司 LaTeXで寿司を流す というわけで……、作ってみました。 tcsushiheadパッケージ (GitHub/zr-tex8r) 使い方はとても簡単1で、好きなLaTeX文書(エンジン不問2)のプレアンブルに \usepackage{t
OpenType フォントのメタ情報の中には、「そのフォントを文書中に埋め込むことがライセンス上で許可されているか」という情報を表す“fsType”という値が存在する。 OpenType specification: OS/2 table: fsType (Microsoft) 上掲の資料によると、fsType の値の意味は次のようである(抜粋)。*1 0 : Installable Embedding (インストール可能)*2 2 : Restricted License embedding (埋込禁止) 4 : Preview & Print embedding (編集禁止の場合のみ埋込可能) 8 : Editable embedding (埋込可能) dvipdfmx および PDF 出力の TeX エンジンは OpenType フォントを埋め込む機能を持っている。このとき、fsTy
Font design is in fact lots of fun, especially when you make mistakes.
TeX 言語では他の多くのプログラミング言語と同じようにファイル入出力の機能がある。例えば、LaTeX で文書ファイルを組版すると、DVI ファイル(または PDF ファイル)の他に拡張子が .aux のファイルが出力されるが、これは TeX のファイル入出力機能を用いて出力されたものである。((.aux ファイルには TeX のコードが書かれており、“2 回目”の LaTeX の実行時に \input で「プログラム」として読み込まれる。)) ところが、TeX のファイル入出力機能には大きな制限があって、「テキストファイルを行単位に読み書きする」((厳密にいうと \read は行単位ではない。e-TeX 拡張プリミティブの \lineread は厳密に行単位である。 ))ことしかできない。これはつまりバイナリファイルを「正しく」読み書きすることが原理的に不可能であることを示している。全て
「Beamerで日本語を無事に扱う」ためにプレアンブルに書くべき設定内容を、各種エンジン(とDVIウェアの組合せ)の各々について示す。 前提 “日本語でない”(欧文の)Beamer文書の作り方については、余裕で解っているものとする。 “Beamerでない”(article系などの)日本語LaTeX文書の作り方については、余裕で解っているものとする。 動作確認はTeX Live 2015(最終版)および2016(2016-07-20時点)で行った。 pLaTeXの場合 dvipdfmxを使う場合 % pLaTeX文書; 文字コードはいつも通り \documentclass[dvipdfmx,12pt]{beamer}% dvipdfmxしたい \usepackage{bxdpx-beamer}% dvipdfmxなので必要 \usepackage{pxjahyper}% 日本語で'しおり'し
ちょっとした計算ならばLaTeXで済ましてしまおうっていう動機があって, 最近調べていたら割りと楽に色々書けるのを知ったのでメモしておきます. 注意としては, 私はLaTeXのマニアではないので(最近になってこういうの書くようになった), 色々変なところもあると思います. 私としてはぶっちゃけ取り敢えず動けばいいのですが, ツッコミは歓迎です. でもでもTeXnitianの方からの手厳しい指摘は心折れてしまうのでお手柔らかに... 素数のリストを出力してみる 与えられた数の個数分, 小さい方から素数を列挙するプログラムを考えます. まずは普通に好きな言語で書いてみましょう. 私はPythonを選びました. Cでも良かったのですが, 配列のappendがちょっとまどろっこしいので... Rubyとか, シェルスクリプトあたりでもいいと思います(変換しやすさ的な意味で). もう一つPython
以前、platexをUTF-8コードで使うための記事 UTF8でLaTeX(pLaTeX)を使う方法 - ラシウラ出張所 - coders を書いたけど、これからはxetexのxelatexを使うようにします。xelatexだと、フォント設定だけで欧文のスタイル上でUTF-8日本語文章からPDFを生成できるようになっています。 xetexのインストール Windows: platexの"TeXインストーラ3"を使っていれば自動で入ります http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~abenori/mycreate/ Windows: 欧文ベースのMiKTeX(2.9)でもxelatexが入っていて、インストールした状態のままで日本語も扱えます。こちらは欧米スタンダードなtex構成であり、外部ツールの対応も充実してオススメです。が、逆にascmac.styのような日本でよく使わ
A L TEX 2εまくろの八衢 藤田 眞作 京都工芸繊維大学 工芸学部物質工学科 2004/07/30 (第 1 版) A L TEX 2ε まくろの八衢 c (1995, 2004) 藤田 眞作 営利を目的とする転載はご遠慮ください.非営利の転載については, 1. 改変しないこと 2. 各ファイルやディレクトリー内容を分割しないこと を条件に,原則として自由とします.ただし,転載した場合は,転載者,転載先 (できれば,転載先のサー ビス範囲などの情報),転載目的など,できる限りの情報ををメールでお知らせください.このドキュメン トの内容の誤りなどによって起こった損害に対して,著者は一切の責任を負いません. 3 はしぶみ 本オンラインマニュアルの旧版は, L TEX まくろの八衢」(第 1.00 版) として,1995/05/27 に,オンライ 「A ン (@nifty (
これは「TeX & LaTeX Advent Caleandar 2014」の1日目の記事です。 (2日目は k16shikano さん です。) 昨年のアドベントカレンダーでは、「完全攻略! LaTeXのマクロ定義」と題して、「LaTeXのマクロ(ユーザ定義命令)」を作る命令(\newcommandなど)の使い方を紹介しました。そこで述べられているように、LaTeX標準での命令定義機能には割と大きな制約があります。 複数の引数をとる命令の場合、最初の1つしかオプション引数([...]で表される省略可能な引数)にできない。 ユーザ定義命令の引数が「段落をまたぐ」ことの可否を選べるが、全部の引数について一律に許可する(\newcommand)か、あるいは一律に禁止する(\newcommand*)かの選択しかなく、個別の引数ごとに選ぶことができない。 LaTeXの慣習では、ある命令の“変種”を
TikZ/PGF † PGF (Portable Graphics Format) は,Till Tantau(Beamerのオリジナルの開発者)によって作成され,現在は Henri Menke, Christian Feuersänger などのメンバーによって開発・メンテナンスされている TeX 用の描画パッケージです。 PGF のフロントエンドとして一般的には TikZ (TikZ ist kein Zeichenprogramm = "TikZ is not a drawing program") を使用します。 Beamer が基礎としている描画エンジンも PGF です。 また,R や gnuplot と連携させて描画することもできます。 はじめに † TikZ/PGF が提供する tikzpicture 環境は,LaTeX 標準の picture 環境と同様に TeX 文書中に
あるいは 〜私の TeX プログラム変換環境〜 かなり間が空いたが、前回の続き……だけどその前に宣伝。 TeX & LaTeX Advent Calendar TeX で騒げ、TeX で笑え 皆さんの、心をこめたネタをお待ちしております! ※初心者大歓迎。 いやマジで。 (詳細は ATND のページで) ステップ 5 : 配列変数の処理 元のプログラムはシリーズ(7)の最後に掲載した eltaso3.lua。 元のプログラムには alpha と digit という 2 つの配列変数を用いている。*1残念ながら、TeX には配列という機能はない((ちなみに、TeX において「配列」というと、普通はデータ型でなくて組版機能の alignment のこと(\halign 等)を指す。))ので、何か別の手段でその機能を実現する必要がある。ここでは「名前参照」を用いて擬似的な配列変数を作る方法を説明
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