群馬県みなかみ町の小学校で4日に実施された健康診断で、複数の児童が男性医師(78)に下着の中をのぞかれたなどと訴えている問題で、内分泌学(性成熟)などを専門とするこの医師は7日夜、下半身の目視について「パンツを開いて陰毛が生えているかをぱっと見た。全員、見た」と報道陣に説明した。 医師は触診については上腹部に限定していたとして、「直接皮膚に触るのはおなか。肝臓が腫れていないか上腹部に手を当てた。下半身に手を入れることは絶対していない」と説明する一方、「無意識に足に手を当てたことはあったかもしれない」とも述べた。 また、女児については上着をあげさせて乳房の発育も目視していたと説明した。「胸を見せるのも傷つく人もいるが、『胸はしょうがないけど陰毛はだめ』という根拠はどこにもない」と述べ、成熟の状況を確認するために乳房も陰毛も目視する必要があったと訴えた。 下半身の目視について、「私が校医をやっ
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、菅家(かんけ)一郎元副復興相=衆院比例東北ブロック=が2021年、安倍派からキックバック(還流)された678万円を原資に、自身が当時代表を務めていた党支部に計1201万円を寄付し、所得税の一部を控除される税優遇を受けた疑いがあることが判明した。毎日新聞は福島県選挙管理委員会への情報公開請求で、菅家氏の控除申請に関する書類を入手した。 選管が開示した「寄付金(税額)控除のための書類」(21年分)は計1201万円分を控除対象として記載。菅家氏は取材に「直ちに法令に従い修正申告し、返った金額は税務署に納付した」と書面で回答し、税優遇を受けた事実を認めた。 寄付金については「派閥からの寄付として計上しないよう言われていたことから、やむなく個人名義として政治団体の収入に計上した」とした。ただし、派閥から政治団体への寄付を原資に、個人が税控除を受けたとすれば不
船に載せられ、紀伊水道沖に運ばれるマッコウクジラ。この後沈められた=2023年1月19日午後2時35分、本社ヘリから 大阪湾で死んだマッコウクジラの処理費を巡り、大阪市が厳しい批判にさらされている。当初の試算額の倍以上で海運業者と随意契約。住民監査請求を受けた市監査委員が、金額ありきで契約交渉が進められた疑いがあるとして、横山英幸市長に再調査を勧告する事態に発展した。毎日新聞が入手した業者との交渉記録によると、処理を担当した大阪港湾局の当時の幹部が業者の意に沿う形で金額の引き上げを促していた。 クジラは2023年1月9日に大阪湾の淀川河口付近で見つかり、13日に死んでいるのが確認された。19日には市の依頼を受けた市内の海運業者が作業船で運び、紀伊水道沖に沈めた。緊急性のある作業だとして、入札せずに随意契約を進めた。業者はその後、市に8625万円の見積書を提出。一方、港湾局は3月初めに377
「イオンシネマシアタス調布」公式サイト(https://www.aeoncinema.com/cinema/chofu/)から シネコン「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテイメント株式会社は16日、映画館の利用者に従業員が不適切な対応をしたとして公式サイトで謝罪した。 多くのテレビ番組に出演し、YouTube、講演活動など幅広く活動している車いすインフルエンサー・中嶋涼子さんが15日、自身のX(旧ツイッター)に、イオンシネマで映画を観賞した際の出来事を投稿。これまでは「一人で見に行って映画館の人が手伝ってくれてた」が、この日は観賞後に従業員から「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので、今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですがいいでしょうか」と言われたという。 中嶋さんは「なんでいきなりダメに
立憲民主党の野田佳彦元首相が22日の衆院予算委員会の質問に立ち、自民党の世襲議員の多さを痛烈に批判した。岸田文雄首相に向き合った野田氏は、自民に世襲議員が多く、要職起用が目立つ現状について「(岸田)総理は3世、ジュニアに委ねると4世。ルパンだって3世までだ」と皮肉を込めて指摘。「歌舞伎役者じゃないんだから」と苦言を呈した。 立憲は、引退や死去した国会議員の政治団体や政治資金を親族が引き継ぐことを禁止する政治資金規正法改正案を臨時国会に提出している。野田氏は「(世襲の)問題に自民党も向き合っていかなければいけない。令和の最大の政治改革だ」と強調した。 首相はこれに対して「国民が幅広く有能なふさわしい人材を選べる、こうした制度や仕組みを作っていく努力は絶えず行っていかなければならない」と答弁した。 野田氏はまた、6月の通常国会の会期末などに解散風が吹いたことに関して、「政局より危機管理の方が大
自見英子万博担当相は17日の衆院内閣委員会で、2025年大阪・関西万博の基本計画で想定する来場者数や参加国数について「達成したか否かをもって、万博が成功したか、失敗したかを判断するものではない」と述べた。 日本国際博覧会協会が20年に策定した基本計画では、来場者数2820万人、参加国150カ国と想定している。万博の効果を測定するための数値目標の設定については、「万博の意義が時代とともに変化している。一定の数値目標を掲げ、達成したかどうかで万博の成功、失敗を判断するものではない」と答弁した。 政府は毎年策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」などで、政策立案時に具体的な数値目標を定めることを重視している。 また、万博閉幕後に撤去し、木材として再利用する予定の木造建築物「大屋根(リング)」に関しては、「どのように活用するか、具体的なことが決まってはいない」と述べた。一部で大屋根として保存すべき
県議会福祉保健医療委員会(委員12人)では反論が相次ぐ中、自民、公明県議7人の賛成で県虐待禁止条例改正案が可決された=さいたま市で2023年10月6日午後1時34分、岡礼子撮影 小学校3年生以下の子供の放置を禁止する埼玉県虐待禁止条例の改正案は13日、開会中の県議会9月定例会本会議で採決される。自宅での留守番や子供だけで公園で遊ぶことも放置と判断されるため、市民からは「生活実態とかけ離れている」などと反対の声が相次ぐ。一方、虐待防止の観点から賛成の声を上げる専門家もいた。県内の関係者に賛否を聞いた。 「極めて問題の多い改正案。『放置』の定義が過度に広範であいまいだ。子供の人格権も含め、憲法に抵触する恐れすらある」と厳しい声を上げたのは、子供の虐待や離婚問題に取り組んできた埼玉弁護士会所属の竪十萌子弁護士だ。
群馬県立図書館(前橋市)が、県内35市町村の読書環境整備のため実施してきた図書支援のあり方を2024年度から変更する。小説や絵本など娯楽要素の強い書籍から、歴史や農業技術、経済学など専門書を中心に置き換える。担当者は「県立図書館ならではの専門性の高い本に触れてほしい」と語るが、公立の図書館を設置していない自治体からは不安の声も上がっている。【渡辺薫】 公立図書館は図書館法に基づき各自治体が制定した条例の下に設置され、県内では23市町村が開く。残り12町村は建設費負担などを理由に図書館を設置しておらず、公民館の中に図書室を併設するなどして住民に読書環境を提供しているが、自治体によって規模や蔵書数はさまざまだ。
警察庁は30日、小型の「ウエアラブルカメラ」を地域警察官らが装着するモデル事業を2024年度に実施すると発表した。職務質問の対応が適切だったかを事後的に確認できるようにすることなどが狙い。比較的規模の大きな都道府県警で先行実施し、効果を検証した上で本格導入を検討する。24年度予算の概算要求に関連経費約1500万円を盛り込んだ。 警察庁によると、ウエアラブルカメラは計102式を購入予定で、内訳は地域65式▽雑踏警備など19式▽交通18式。雑踏警備では、多くの人が行き来する状況を撮影して別の場所でリアルタイムに監視する。交通では、撮影した違反の状況を運転者に示すことなどを想定。交通違反の取り締まりは警察官の現認が原則だが、それを補完する役割が期待される。
クラウドファンディングの開始から9時間半で、目標の1億円を突破した=2023年8月7日午後5時21分、大野友嘉子撮影 わずか9時間半で1億円達成――。光熱費高騰や物価高から資金難に陥り、国立科学博物館が7日午前8時に開始したクラウドファンディングは、午後5時20分に目標額の1億円が集まった。寄付は引き続き募っている。 博物館は7日午前に記者会見し、協力を呼びかけた。SNS(ネット交流サービス)などで注目され、クラウドファンディングのホームページにアクセスが集中し、一時つながりにくい状態となった。 博物館の公式X(ツイッター)には、「国が支援すべきだ」などと投稿が相次ぐ一方で、博物館ならではの返礼品に支援を申し出る声が相次いだ。
アジア太平洋ネットワークインフォメーションセンターの本部=オーストラリア・ブリスベンで(日本ネットワークインフォメーションセンター提供) パソコンやスマートフォンなどに割り当てるインターネットの住所「IPアドレス」を管理する、アジア太平洋地域の国際団体の理事会選挙で不正行為が起きていたことが29日、関係者への取材で分かった。中国系IT企業が身元を隠し、自社の推薦候補への投票を強要する電話をかけるなどした。理事を送り込むことで団体が管理する大量のIPアドレスを獲得し、高値で売りさばくことを狙ったとみられる。 古い規格のIPアドレスは不足しており、中国やアフリカで争奪戦となっている。日本の管理団体「日本ネットワークインフォメーションセンター」(東京)の前村昌紀政策主幹は「ネットが世界的な社会インフラになった結果、関係者の性善説で成り立っていた運営の基盤が揺るがされている」と指摘。総務省データ通
音楽プロデューサーの松尾潔氏(55)が10日、自身のツイッターを更新し、この日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」からシンガー・ソングライター山下達郎(70)の音楽プロダクション「スマイルカンパニー」との契約終了をめぐる問題について寄せられた質問と、それに対する答えを投稿した。 松尾氏は「ミヤネ屋で、山下達郎さんのラジオ発言に関する3つの質問にお答えしました。メディア10数社からの取材依頼に応じたのは今回が初めて。番組側が『自筆テキスト、切り取りなしの全文紹介』の条件を呑んでくれたからです」と説明したもの。 また、その後「ぼくは達郎さんを敵対視なんてしてませんから!絶大な影響力のあるカリスマミュージシャンに、子供たちが不幸にも性犯罪や性暴力の被害者になった時、『声を上げてもムダ』と諦めずにすむ社会を一緒に目指しましょうよ、とご提案しているのです」とつづっている。 松尾氏は1日、自身の
性的少数者の人権を擁護する宮崎県都城市の条例案に反対するチラシ。裏面には作成者として旧統一教会の男性信者の名前が書かれている 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は教祖・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の同性愛者に対する差別的発言などを日本語に翻訳した「宇宙の根本」を2002年8月に出版し、この頃から性的少数者の権利擁護に反対する活動を加速させた。宮崎県都城市で03年に成立した条例に全国で初めて明記された性的少数者の人権規定は3年後に削除。当時、信者らの反対運動があり、市長は現在自民党の安倍派所属の参院議員、長峯誠氏だった。【田中裕之】 「反ジェンダーフリー」と重なる動き 出版のタイミングは、国内の保守派を中心とした「反ジェンダーフリー」の動きと重なる。 当時、男女共同参画社会基本法が1999年6月に施行されてから3年あまり。性別にとらわれないジェンダーフリー政策を推進する動きが各自治体で盛んに
<右>卒業式に臨んだ際の髪形=保護者提供(※ピアスの穴を開けたのは卒業後)<左>編み込みをほどいた普段の髪形=兵庫県姫路市で2023年3月9日午後0時15分、幸長由子撮影 兵庫県姫路市の県立高校が2月に開いた卒業式で、3年の男子生徒(18)=当時=が髪形を理由に卒業生用の席に着席することを認められなかったことが判明した。 「友人との3年間を締めくくる思い出づくりができなかった」。黒人である父のルーツを踏まえた髪形だったが、学校側の答えは「校則違反」。多様な背景を持つ子どもが増える中、専門家は「子どもを抑え付けるのではなく人権尊重を」と呼び掛けている。 教師「校内から出てくれ」 生徒は卒業式を「特別な日」と考え、巻き毛である髪質でも整って見えるよう髪を編み込んだ。「コーンロー」と呼ばれ、アフリカにルーツを持つ黒人文化の伝統であることをインターネットで調べ、父親からも話を聞いていた。 父親によ
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