「退職した人と働く人との比率を、少なくとも1対3に抑えることが、あらゆる先進国の社会政策と経済政策の中心的な目標とされなくてはならない」(ドラッカー名言集『歴史の哲学』) ドラッカーは、いかなる社会といえども、多くの数の高年者を扶養することはできないという。社会が重荷に耐えられない。しかしドラッカーは、今日の65歳の平均余命と健康度は、1920年代の52~53歳に相当するという。 仕事はおもしろい。それは社会との絆でもある。加えて、高年者の発言力は増大する。かくして定年制の緩和が不可避となる。それは、社会的、経済的、人道的見地からの必然である。 やがて六五歳定年制は、パートタイムでも働きたいとの欲求を持つ健康な人たちに、怠惰を押し付け、無用の存在たることを強制するだけのものと受け取られるようになる。 遠くない未来において、高年者をいかにマネジメントするかが、中心的な課題の一つとなる