米国のジェームズ・マティス国防長官(左)と会談したサウジアラビアのムハンマド副皇太子(2017年3月16日、出所:Wikipedia) OPECなど主要産油国が相場下支えのための「口先介入」を強めた(5月8日付「日本経済新聞」)にもかかわらず、である。 減産効果が表れない原油在庫 口火を切って“介入”したのはサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相だった。同相はマレーシアで開催された業界イベントで「OPECが6月末までとした協調減産は来年以降も延長されると確信している」と述べた。これを受けてロシア政府は、「協調減産を来年にかけても継続する」というサウジアラビアの提案に支持を表明した。 市場はこの動きについて好感しているものの、「実際の在庫データに減産の効果が表れない限り楽観することはできない」として慎重な姿勢を崩していない。「来年末まで原油生産を抑制し続ける必要がある」とする専門