まもなく、各府省による2015年度政府予算の概算要求が本格化する。社会保障費の自然増などにより財政状況は厳しさを増しているが、その中で例外的に大きな伸びが見込まれる分野がある。情報セキュリティ分野である。 2014年度の情報セキュリティ分野の当初予算額は542億3000万円。2013年度の当初予算額に比べて300億円超、率にして126%の大幅増だった。2015年度予算の伸びはさらに大きくなる可能性がある。政府機関へのサイバー攻撃が急増しているのに加えて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催をにらんで、政府・与党がサイバーセキュリティの政策優先度を引き上げているからである。 9月1週めの内閣改造を経て召集される秋の臨時国会では、政府のサイバーセキュリティ戦略の基盤となる「サイバーセキュリティ基本法案」が早期に成立する見込みだ。同法案は前通常国会の会期末直前の6月11日に衆議院に