「最近のアニメは『エヴァンゲリオン』がそのもっとも顕著な例だけど、本編以外の部分で大量の補完情報を必要とする。映画はもはや映画だけでは成立しない。今のアニメファンは感覚として物語を捉えるだけじゃなく、情報として理解したいという欲求がある。そうすると、僕らがやっている一本の映画を作るとかビデオを何本か作るという行為より、このゲームのような形式――たとえばメインストーリーで語られる部分とはべつに、新聞でサブストーリーを語ったり、各キャラクターの補完情報がテキストで閲覧できるとか――の方が扱える情報量が桁違い。映像と音響のクオリティや暗い映画館で同時体験する良さという点では、まだ僕らの方に優位性はあるけど、それ以外のことで言うと、たぶん、アニメはこういう形式にはかなわない。僕はアニメーションって、一本の映画で見たいものじゃなく、本当は、こういう形式で見たいものなんじゃないかっていうのはかねがね思