東海道線豊橋駅から東へ7キロ、弓張山脈の西のふもとに、国鉄マンとその奥さんが経営する精薄児施設・岩崎学園がある。 園長は奥さんで、現在静岡鉄道管理局の営業係長をしている松下忠男さん(44)がここの理事長である。松下さんは戦後初めて鉄道公安官が出来てから昭和29年まで、豊橋で公安官をつとめた。 当時は浮浪児がうようよしていて、腰掛けの下にかくれている浮浪児を保護して取り調べることが多かった。しかし鉄道公安官の立場では、せいぜい児童相談所へ引き渡すだけが精一杯の仕事だった。そして脱走してはまたつかまるというくりかえしだった。なかでも賢い子は割につかまらず、知能指数の低い子がつかまる率が多かった。 松下さんはこれでは駄目だ。そして特にちえおくれの子のためには特別の施設が必要だと痛感した。施設のないことをなげく児童相談所の所長の話をきいたり、精薄の施設を見たりしているうちに、松下さんは昭和26年の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く