生命科学や物理学など最先端研究のための大型実験施設スプリング8(兵庫県佐用郡三日月町など)が揺れている。政府の資金投入が財政難で減少、「利用は原則無料」の方針を見直す動きが具体化したためだ。「科学の土台がつぶれる」と研究者らは猛反対。背景には「競争重視」で硬直化した科学技術政策が影を落とす。 スプリング8は一周一・四キロの円形加速器に電子をほぼ光速で走らせ、電子から出る光を実験に使う装置で、建設費は約千百億円。昨年は「ペンタクォーク」という物質の新状態を発見、和歌山市の毒物カレー事件のヒ素鑑定でも活躍した。 ■無料が常識 利用は原則無料。運営する高輝度光科学研究センター(JASRI)の審査に通れば使える。実はこれが世界の常識で、「研究費の乏しい若い人に機会を与え、育ててから競争する仕組み」と坂田誠名古屋大教授。 スプリング8を最大限活用してもらうため海外同様「(利用料を)徴収しないことが適
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